「隣の部屋の小鳥遊さんに壁ドンされた」1
◇◇◇
「橘くん」
「…何ですか」
そこは、ごく普通のよくあるアパートの通路。
…しかし今、異常な光景がそこにはあった。
男を壁ドンする男。
部屋の前で、顔の横に手をついて俺を見下ろすその人、小鳥遊さん。
その綺麗な顔が何故か苦痛に歪んでいる。
「もう、限界――…」
そう呟く低い声に…何、と問いかけて。
近づいてくる顔に
目を見開いて硬直した。
(あ゛ー)
(…もう、一体なんなんだこの人は…)
とりあえず、変態が移るからあんまり近寄らないでほしい。
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