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…俺は、愛也を襲うことにした。
他の女子に取られる前に。
他の誰かに奪われる前に。
身体だけでも俺のモノにする。
…まぁ挿れられるのは俺だから実質襲われてるのは俺なわけだけど。
「あは…ッ、は…っ」
「…っ、クソ…ッ」
「その顔最高…っ、」
「この、ばか…っ、気持ち悪いんだよ…っ、」
その顔が好きだ。
そうやって毒を吐く癖に、通常量の何倍もの精力剤を飲んだ愛也の欲情しきった瞳。
興奮して余裕のない表情。
整った顔に引き締まって汗ばんだ身体。
…やばい。滅茶苦茶格好いい。
「愛也のエロい顔、やばすぎ」
「…っ、ふっざけんな…っ」
我慢できずに激しく何度も腰を打ち付けられる度に、ベッドが軋んでギシギシ揺れる。
大きく勃起した性器がグリッと強く奥の弱い部分を突くと身体が快感に震えた。
何十回繰り返したかわからない。
でもそのくらい夢中になって欲求のままにお互いの身体を貪り合った。
…ヤってる間もこれでもかってほど悪態をつかれたけど、そういうとこも愛也の魅力の一つだからよしとする。
…けど、無理矢理襲ったせいか、その後口をきいてくれなくなった。
なのに、それでもさっきも死にそうになった俺のところに来てくれた。
いつも無表情だからわかんないけど心配してくれたんだろう。ポジティブに解釈する。
…でも、そんなことを思った矢先、
その後、俺が退院するまで一度も愛也が来ることはなかった。
くそったれ!もっと来いよ!寂しいだろ…!
「ツンデレめ」と眉を寄せながら恨みを吐き、久しぶりの学校へと向かった。
______________
だらだらと廊下を歩いていると、首にぐいと腕が回され、引き寄せられた。
……この感じは絶対に愛也じゃない。振りむかなくてもわかる。
(うわ、最悪)
「………」
「よう。依人お久ー。これでまた3Pできるな?」
「おーい、俺の身体まだ包帯だらけで傷だらけなんですけどー」
「大丈夫大丈夫。お前なら問題ない」
軽く言うな。
少しくらい気遣え。
穴さえ無事なら他はどうでもいいらしい。なんて奴らだ。
(…ま、そんくらいの方が俺も気楽でいいけど)
でもコイツは嫌いだ。SMプレイが好きらしく調子に乗って「調教してやるよ」ってヤってる最中に鞭で身体が傷だらけになるまで叩かれた。皮膚を抉るまで弄られた。
「…(…ん?)」
ゲラゲラ笑う男にへらへら笑ってると、不意に視線を感じる。
そっちに顔を向ければ愛也がいて、すぐにそらされてしまった。
愛也のことだから男に肩を抱かれる俺に嫉妬…なわけでもなく、単純に俺と目が合うのが嫌だったんだろう。
何だよ。まだ襲ったこと怒ってんのか。
…せっかく話すきっかけになると思ってあんなことまでしたのに。
「……あーなんか入院してた時間が無駄に思えてきた」
苛々する。
舌打ちをしながら、空を仰ぐ。
今からどうしようとぼんやり考えて、
とりあえずさっき誘ってきた男の家に向かうことにした。
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