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…その、数秒後
何故か両手に手錠をかけられ、ベッドの端の棒の部分と鎖で繋がれていた。
「…え…?」
だらりと、冷や汗が流れる。
これは予想してなかった。
前回のも予想できなかったけど、今回も全く予想できなかった。
しかも、
「な、なぁ、抵抗しないから、できればこれ外してくれませんか、…ね?」
とろりとチューブから液体を手の平(勿論手袋をつけてる)に垂らしている野良のご機嫌を窺うように声をかける。
「…(…やばいん、だって、)」
どうしても手錠が肌に触れると嫌なことを思い出すからできれば外してほしい。本気で。
冷たい汗が零れ落ちた。
腕を動かせば、ガチャガチャ、と手錠から音が鳴る。
どうにかして手錠の隙間から手を抜こうとしても、しっかりと鍵までかけられている手錠はビクともしなかった。
「却下」
…そして、俺の心からの申請は一瞬で放り投げられた。
指に液体を垂らしているってことは、今日も俺のちんこを死ぬほどいたぶって遊ぶ気なんだろう。
昨日も一昨日も滅茶苦茶痛かっただけに始まる前から既に寒気がしている。
こう毎日毎日ちんこをもみくちゃにされていると、本気で使い物にならなくなるかもしれない。
…野良はそこのとこ考慮してくれないだろうし。
なんとかして今の状況を脱しようと思考を巡らせてみる。
は…っ、とずっと気になってたことを思いだし、振り返った。
目が合うと心底嫌そうな顔をされる。
「あのさ、前から思ってたんだけど、…野良は…女、が好きなんだろ?男のちんこ触ったりするの気持ち悪いとか思わないのか?」
「知らないおっさんだったら絶対嫌だけど。佐藤はそこまで気にならない」
「…ッ、え」
「って、言えば素直に従ってくれんの?」
一瞬ときめいた俺がバカだった。
本当に俺ならいいと思ってくれてるのかと思った。
「…そういう、わけじゃない…けど…」
……ドキドキしちゃっただろ、この女たらしならぬ、俺たらしめ。
「だったら聞くだけ無駄だろ」と先程の『優しくしない』という言葉通り昨日のような数秒の笑顔さえ今日は浮かべてくれなかった。…ちくしょう。うう…ほんとに冷たい。
「尻突き出して」
「…わ、わかったって」
俺が女だったら訴えられてるぞお前。
手は手枷があってどうにもできないから、とにかく膝を床につけて四つん這いっぽい状態になる。
(…そんな簡単に言うけど、俺だって恥ずかしいんだからな。これ)
頬を熱くしながら、尻を少しだけ上げた。
…と、
バシン…ッ!!
「…っ、ん゛ひぃ…ッ、?!!!」
物凄い強い力で尻を叩かれた。
びりっと電気みたいな衝撃が尻から身体を襲ってくる。
叩かれた後でさえひりひりとした痛みが尻に残って、バシンとされた場所じゃない肛門の孔が勝手に収縮した。
視界がかすむ。
あまりの痛みに声も出ない。
「もっとつき出せ」
「…っ、ぃ、たぁ…っ、」
やっとのことで喉の奥から絞り出した音は、熱く震えていて、苦痛を滲ませている。
そんな俺に構わず後ろからかけられる冷淡な声。
それに従うことさえできず、ひっひっと荒い呼吸で身体をびくびくさせていた。
「もう一回叩かれたい?」
「っ、ごめ…っ、ら、ちゃんと、する、から…っ、」
いつもいつも乱暴すぎだろ。
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