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泣きすぎて、ぼやけた視界でしか見えない。
…けど、なんだか彼もオレと一緒で泣きそうな表情をしているような気がした。
「…な、さっくんは…?」
「……」
まだ、返事をもらってない。
オレは好きだと伝えた。
ちゃんと伝えた。
…けど、さっくんは…
不安で、声が震える。
視線が、横を向く。
「さっくんは、オレのこと、どう思っ、」
言葉もなく、…静かに手が伸ばされ、頭の後ろに添えられる。
睫毛を軽く伏せたまま引き寄せられて…唇が優しく重なった。
至近距離で絡まる視線。
整ったその顔が優しく微笑んでいて、目を瞬かせるオレに構わず、ゆっくりと舌が差し込まれる。
湧き上がる疑問とか不安はたくさんあるけど欲求には逆らえずに舌同士を擦り合わせ、合間に歯肉を舌先で掬うように抉られ、オレもやり返す。
「は、ぁ、う、さっくん…」
最初は軽く触れあって、感触を味わった。
それだけでうれしくて、胸がぎゅんってして痛い。
そうしているうちに自然と息遣いが荒く、段々濃く深くなっていって、…気づけばオレの方がベッドに押し倒されていた。
「…ぅ、ぁ、」
(…心臓、バクバクしてる…)
オレを見下ろすさっくんは、やはり呼吸がとまりそうなくらいに綺麗で、…正に女受けの良い顔ってこんな感じなんだろうなと色々複雑な気持ちになった。
さっき強く噛まれた場所を濡れた舌がなぞった瞬間、痛みが走った。
唇を重ね、ねっとりと舌を絡ませる。
お互いの口を行き来する舌の感触が、唾液のまじる感覚がきもちいい。
これでもかってほど色気を滲ませた”男”の表情をしているさっくんがぐったりと息を乱しているオレに、後ろを向いてベッドに手をつくように指示してくる。
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