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掴まれて押さえつけられてる手首が痛くて、手に力を入れて外そうとしても、そうすれば今度は反対にキスの方から意識がそれてしまって粘膜を嬲り続けられる。


「…っ、ん……、は、ぁ、ふ…っ、」


だらしなく閉じられない唇を濡らす唾液が増え、そのぬるぬる感に腰が震え、脳が痺れる。

前だったら絶対に拒んでいただろうけど、この顔を独り占めできる時間を逃したくなかった。
結局、どうしたいんだオレはと微かに冷静な自分が訴える。

…でも、正直…好きな男にキスされて嫌なやつはいないだろう。

それに、これだけ切羽詰まったような息の奪い方をされると

…違うってわかってても、
…そうじゃないって知ってても、

求められているようで、オレを必要だと思ってくれているみたいで胸が壊れそうなほど泣きたくて嬉しくなる。

それにさっくんはキスがほんとに上手いから(キスだけじゃなくて他もやばいくらい慣れてるけど)、すぐ気持ちよくなってしまう。

キーンコーンカーンコーンと予鈴が廊下に響いたのを意識の端で捉えて、かろうじでその身体を押して離そうとした手もとられて指を絡めたまま壁に同じように押し付けられては一切の抵抗も叶わない。

構ってほしい時にしてくるキスみたいに、熱をわけあうような口づけは容易に鼓動を速くし、狂おしく腰を砕けさせた。

力を失くし、崩れ落ちそうになれば股の間に差し込まれた膝にズボンの中で勃起している硬いちんちんを擦る体勢になって余計に感じてしまう。

後ろは壁、しかもしゃがみこもうにもそうできないように膝を差し込まれては声をできるだけ我慢しながら耐えることしかできなかった。


「……っ、…は、ぁ…はぁ、ぁ…」


ゆっくり離れていった熱の感触に、軽く吐息を漏らせば、膝が抜かれ、…ずるずると床についに崩れ落ちる。

そんなオレの頬に触れ、優しくなでる低い温度の手。
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