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「ほんとだなっ?兄ちゃんになってくれるんだな?」
「……はい」
もっと嫌がるかと思ったから、了承の意を得られたことに「やった!」と満面の笑みを零した。
「…やらせていただきますが、夏空様の望むようにできるかはわかりませんよ?」
「いい。別にいいんだ。それっぽくしてくれれば」
実際の兄弟なんて見たことないから知らない。
兄ちゃんなんだって思えればそれでいい。
「じゃ、まずはスーツをやめて普通の服に替えるぞ」
「……え、…ですが、それは」
「でももだってもない。スーツはだめだ。”兄ちゃん”なのに家でずっとスーツはおかしいだろ」
本当はいつも私服でいてほしいけど、毎度執事だからという言葉で跳ねのけられてしまっていた。
「…兄ちゃんになってくれるってやくそく、」としょんぼりしつつじとりと見つめれば、「……わかりました」とため息を吐き、根負けした雰囲気で立ち上がろうとする。
「どこにいくんだ」
「…どこ、って着替えに、」
ぎゅ、と裾を掴んで引き留めた。
その胴に身体に腕を回し、強引に座らせる。
「オレが着替えさせてやる」
「っ、え、」
戸惑った声を上げるさっくんに構わず、しゅるっとネクタイを解いた。
(実際には結構難しくて解く時がががって感じだったけど、そこは格好悪くなってしまったから言うまい)
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