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むううと機嫌を損ねて、立ち上がる。
座ったままのさっくんを見下ろした。

…と、


「わ、」


突然立ち上がったせいで頭がくらっとして、膝から下に崩れ落ちる。


「夏空様…っ、…あれだけキスに熱中なさっていたのに、急に動かれては…」

「〜〜…っ!!うう…っ、さっくんの、ばか!おたんこなす!!!」


抱き留めてくれたさっくんが、オレの唇に視線を動かし、…そこを見られてるのにもぶわっと耳から全身が、頬が熱くなる。


「ばかぁ…!!」

「…っ、」


涙を浮かべたまま、どん、と突き飛ばし、そのまま逃げるように扉の方にトタトタ走った。


…そして、


「…夏空様…そろそろ開けて出てきてください」

「もう知らん!オレはここで生きてく!!」


個人用の部屋がないせいで、脱衣所に引き込もって中から鍵をかけた。
五分おきくらいに声をかけてくるさっくんを全部無視して、隅っこで涙ぐみながら蹲っていた。


……

…………


結局、


「……おなかすいた…」


ぐううと腹の音が鳴ってお腹と背中がくっつきそうなくらいになって、それに寂しくなってきて、…やっと出ていくことにしたのだった。

オレの名を呼び、
まるで生き別れて数年ぶりに再会する家族みたいな大袈裟ぶりで、むぎゅううと抱きしめてきたさっくんの話はするまでもない。
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