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けど、気は抜けない。
ここでもし拒否されたら、今日の計画すべてが台無しになってしまう。


「昨日喧嘩したってさっき言ってたでしょ?なら、今日くらい良くない?」

「…っ、…でも、…」


痛いところを突いたらしい。

音海くんの顔が苦しそうに歪むのを見て、内心ほくそ笑んだ。


「ね、一生のお願い」

「……っ、」

「喧嘩してるなら私が詳しく咲人様に話を聞いてあげる。仲直りできるきっかけになるかもしれないよ」


勿論そんな気はさらさらなかった。
どうでもいいことで貴重な時間は減らせない。

今日一日で咲人に気に入られさえすれば、期限なんてないようなものだ。

他はどうなってもいいんだから。

けど、…まだ迷っているらしい音海くんは簡単には頷いてくれる気配がない。

そのもったいぶった様子に苛々してくる。

(…早くしてよ。いいじゃん一日くらい。今までずっと独り占めしてきたんでしょ)


「だったら、本人に直接聞けば良いんじゃないかな?音海くんの物じゃないって言うなら、咲人様が望んだら良いんだよね?」

「…っ、…さっくんが、いいなら、…そう、だな」

「じゃあ、呼んで聞いてみてくれる?」


苦々しく頷いた頭に、内心安堵する。
…こんなことで、無駄に緊張させないでほしい。


「…うん。来てくれるかわからないけど、」と浮かない顔でそう続ける音海くんに、一瞬『は?』ってなりかけたけど、表情に出さないように我慢した。危ない危ない。


来ないはずがないのに。


…だって、咲人が非番の日でさえ、音海くんに何かあったときには駆けつけてくるんだから。

音海くんがどういう契約をさせて無理に執事にさせたのかはわからないけど、無茶をさせすぎじゃないかと思う。
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