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ゾク――、と得体の知れない感覚が、感情が込み上げる。

自分の存在も、息を吸うことも、忘れる。
全身に鳥肌が立ち、快感に、歓喜に震えた。

身体がおかしくなってしまう。
俺と同じ人間だとは思えない。

彼にしかできないほどの色気を滲ませた妖艶な目つきに、ドキリとする。


「…流羽も咥えてみる?」

「ぇ、俺別に、」


言い切る前に、若干無理矢理に、けど自然な所作で火のついてない新しい煙草を口に差し込まれた。
円柱の紙のような慣れない感触が唇に触れ、本能で異物を押し返そうとしたのか舌で一瞬舐めてしまう。まずい。

真似してなんとかくわえてみたものの、どうすれば、と彼を見上げようとして、「危ないから動かないで」と吐息まじりの声が聞こえた。



「ん、」

「…っ、?!」


え、と言葉を発する暇もなかった。

お互いの、咥えた煙草の先端同士が、くっつく。

じゅぅっと、火のついた部分が重なって擦れた音がした。


至近距離にある、優さんの整った顔。
……目にかかりそうなほど少し伸びた前髪と、伏し目がちな、色気と…情欲を掻き立てるような妖艶な表情と美しさが、心臓を狂わせる。



「―――――――………、」



時が、止まった。

表現でなく、本当に、鼓動を忘れるほど、

……それぐらい、心を、全身の感覚を、奪われた。
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