終わり


最早、声もでない。

気管支からひゅーひゅーと乾いた風のような音が出るだけだ。
最早耳の中でも大きく響くドクドクと鳴る音のせいで微かにしか相手の言葉が聞こえない。
今まで10年間一緒に過ごした親友は、泣きそうな顔で笑った。


「俺のこと忘れるくらいなら、俺と一緒に死んで」

「……」


……お前のことが、ずっと好きだった。愛してる。

耳元で、囁かれる低く掠れた声。


「………(ああ、死ぬ)」


首を絞める手に一気に力が入る。
視界が真っ黒になる直前、唇に柔らかい感触が重なったような気がした。

………俺だって、本当はお前のこと好きだった。

もう…伝えることなんてできないけれど。

――――――――

………数分後。

とある病室。

看護師が駆け付けた時には、ベッドの上で…二人はお互いに寄り添うようにして眠っていた。

…永遠に目覚めない眠りの中、彼等はどんな夢を見ているのだろう。
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