宝石

アイオライト


眠い様子の禰豆子ちゃんを寝かせた私は、そっと部屋に戻り棚から透明の瓶を取り出す。この間蜜璃さんがくれたそれは瓶いっぱいの飴玉で、その中には赤色をした甘酸っぱいものから碧色をしたすっとするものまで様々だった。
そのうちの一つ、深い青をしたそれを手に取り、光に透かす。
頭に過るのは、この飴玉のような青い瞳の人。元々口数も少ないからあまり話すこともないけれど、確かに優しい人。
『きみは、昔の俺みたいにはなってくれるなよ』
その人――冨岡さんが昔に何があったのかは詳しくは聞かされていない。けれど彼には確かに昔何かがあって、だからこそ私には自分のように間違うなと示してくれているんだろう。
『はい……大丈夫ですよ、きっと』
こんな世界では絶対に大丈夫だと言える自信はないけれど私は苦笑いでそう返した、その言葉には言えなかった続きがある。
「――貴方が、いてくれるなら」
手に取ったままのそれの包みを剥がし、ぽいと口の中に入れた。

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