宝石
マラカイト
「ほら、」
同級生の**と、青八木と俺の3人で訪れた初詣。
**とは部活は違えど席は近く、自転車競技部の話をすることもあった。
「去年も色々あったよね。主将に任命されたんだっけ?」
「まあな。そっちは?」
「普通だよ。部長になったとかもないし」
なんて、たわいも無い会話ができるのはあとどのくらいなのだろう。
先輩が引退してからというもの、それを考えさせられる瞬間が増えたような気がする。
「あ、そうだ。おみくじ引く?」
彼女が向こうを指差して訊いてきた。
今年は大吉だったとか、物事がうまくいくとかいかないとか。それで一喜一憂するのも悪くはないと思うが、どうも今の俺はそんな気分じゃなかった。
「あー……俺は辞めとくわ」
――この先は、運任せって訳にはいかねえからさ。
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