可燃性傾慕

隊員達と別れた後。廊下を歩いていると、後輩である**の声が聞こえた。
彼女はおそらく、他の女子隊員達と話しているのだろう。

「でさ、どうすればいいんだろうねって」
「あー……**ちゃんって、東さんが好きなんだっけ?」
「そうなんだけどさぁ……彼、どうせ私なんかには絶対振り向いてくれないんだろうな……」
「わかるわかる。私らじゃ絶対釣り合わないもんね」

盗み聞きするつもりはなかったものの、俺の名前が出てきたものだから聞かないわけにはいかなかった。
ただ、それ以上に気になったのはその内容だ。

「釣り合わない、なんてことないのにな」

俺が好きなのは、他でもなく**だ。事実、彼女が入隊したときから、明るくて性格もいい彼女にずっと惹かれていた。けれど、俺が**を想っていることを彼女自身は知らないどころか、どうせ振り向いてもらえないなどとありもしないことを思い込んでいた。
そんな彼女に、俺はこの想いを伝えるべきなのだろうか。
何もせずこのままでいれば、綺麗な両片想いで終わるけれど、それではどこか納得がいかない。だからといって、彼女が進展を諦めている限りは告白されることもないだろう。

「**……」

やはり、自分から**に言わなければ。**を、迎えに行かなければ。
そうでもしなければ、俺と彼女の仲は永遠に進展しない。

「……待っててくれ、」

さて、どこでどうやって切り出そうか。
俺はひとり、誰にも言えない戦術を考え始めた。