シャボンの構造

最近、隣のクラスの遼くんと話せていない。
曲がりなりにも彼氏彼女の間柄になったので『振り向いてもらえない』とかそういう方向性の悩みはないが、とはいえ話す機会がないのは恋人同士になっても悩みの種であり続ける。

「どうしよ……」
「じゃあ、メイクとか変えてみたら?」

そう悩みを零す私を見かねてか、同級生がアドバイスをくれた。
確かに最低限のメイクはしていたが、おそらくそれだけでは足りないということなのだろう。

「なるほど……!ありがとう!」
「いえいえ〜」

アドバイスを受けた私は、帰りにいつもの百均のものではないコスメを買い込んだ。

***

翌日。
慣れない化粧を施して学校に向かえば、廊下で彼と出会うことができた。

「おはよ、」
「ああ、**……って、」
「遼くん?」
「っ……お前、何かした?かわいいじゃないか……!」

期待以上のことが起きた。私のことを、かわいいと褒めちぎられたのだ。
優しい彼のことだから、社交辞令の可能性もある。けれど彼とやっと久々に話せた今、そんなことはもうどうでもいい。
遼くんがそんなに褒めてくれるならこれからも頑張ってみようか、なんて。

お題 ▶︎ お題ガチャ「いろんなシチュガチャ」様より。