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始まりの一日

縁側の長い板の間で出来た廊下を通り、二畳半程の角台と座布団と掛け時計があるだけの九畳の応接間で、私は男と向かい合って座っていた。
台の上には、まるで生花の代わりに、折り紙の鶴やまりが置かれている。
私に褒めて欲しくて飾っているのだろう。
覚えていたら、今度褒めてあげようか…


不思議な男だ。
起きているのか…
寝ているのか…
分からない程の、惚け具合の御方だ。


「誰?
 この糸目のおっさ、いてててッ!!」


私は不躾な事を言う口を、即座に引っ張ってやった。


「ひぃっでぇぇッ!
 暴力女!!!」

「五月蠅い…
 静かにしないか化猫」


珍しく朝から起きてきた歌留多かるたを、私は追い払おうと手を振る。


「俺にだって
 優しくしてくれても…」


私は歌留多に目もくれず、無視すると五月蠅いので理由を呟いてやった。


「面倒…」

「め、面倒ッ!?」

狗の雨宿り