1.星に願いを
栞を挟む

ぽつんと一角にだけ明かりが灯ったオフィスのデスクをのろのろと片付ける。
上司や後輩に例のごとく押し付けられた仕事の山をたった1人きりで片付けた自分を褒めてあげたい。
キャビネットの施錠をしっかり確かめてから、電気を消した。
真っ暗になった室内だが、すぐに窓から差し込む街灯でぼんやりと照らされている。
疲れた…今日はいつも以上にハード過ぎた。栄養ドリンクやらサプリメントでなんとか持ちこたえることが出来た…早く休みにならないかな。だるい…。
会社を出た瞬間、頬を撫でる風がひんやりと感じた。
そういえば、業務時間外だから冷房が切れていた。
郊外のオフィスの周りは、街灯がぽつりぽつりとあるばかりで人通りも少ない。
軽く伸びをして歩き出す…はずだった。
ぐらりと体が傾ぐ。あっ…という、自分の間抜けな声が聞こえた。
次に目の前に広がったのは、満天の星…今朝のニュースで聞いたいくつも流れる星の群。
ああ…綺麗だな。
そういえば、今日は七夕だったっけ…

ハッピーバースデー…私。

帰ったら化粧落として、

速攻で寝よう…

そうだ、もう何日も満足に寝てない…

だから、ねよう…

ああ、それにしても、

なんで

さむいんだろう…

…ね…むい

前の話 戻る 次の話
狗の雨宿り