1 いつもと違う彼女

※このお話の注意点
設定は神の子連載の設定を使っておりますが、その中でもパラレルの様な話だと思って下さい。
幸村君以外との性的絡みが出てきますのでご注意願います。
高校生設定です。













【精市、部室に来て】


彼の携帯にそう連絡が入ったのは、昼食前の事だった。
いきなりの彼女からの連絡に不思議そうに首を傾げながらも、食べる予定だったパンを一旦袋にしまい部室へと向かう事にした。


「どうしたんだろういきなり……それに部室……?」


桜華から部室に呼び出された覚えのない幸村。
もう数年彼女と付き合っているが、一度もなかった事だ。
特に部室と言うのは男子テニス部の部室である訳で、所謂女子禁制の様な所がある。
桜華が入った事がない訳ではないが、回数はそこまで多くない様に思う。


「まあ考えても仕方ないか……桜華にも何か考えがあるんだろうし」


彼女がいるであろう部室の前に着くと、ノブに手をかける。
鍵がかかっていないため回せばそれガチャリと音を立てて開いた。
ゆっくりと中を覗くと、彼女は部室のちょうど真ん中辺りにある椅子に一人座っていた。


「桜華?」

「あ、精市……」

「どうしたの?部室に呼び出すなんて……何かあった?」

「せーいち……」

「桜華!?」


事情を聴こうと声をかけた幸村だったが、次にはただ目を見開き彼女の名前を呼ぶしかなかった。
少し舌足らずに自分の名前を呼び、ぎゅうっと抱き付いてくる桜華。
突然のその行為に驚かない訳はなく、彼も流石に動揺を隠せない。


「ねえ、本当にどうしたって言うの……?」

「せーいち、せーいちぃ……」

「(本当におかしい……)……とにかく落ち着いて?何があったの?」

「落ち着いてるもん……」

「それのどこが?いつもと違うよ桜華……おかしい」

「おかしくないもん……むう……」

「(あざといな……)」


少し頬を膨らませてむっとした表情を見せる彼女のそれは、幸村にはあざとさしか感じられず。
だがしかしそれでも可愛いと思ってしまうのはただの惚れた弱みの様なもの。
幸村は膨れた頬をそっと撫でながら再度彼女に問う。


「桜華、本当の事言って……?」

「本当の事って……?」

「どうしてそんな態度なのか……あと、どうして俺を部室に呼んだのか」

「うんと、ね……」


桜華はぽおっと頬を桃色に染め瞳を潤ませた。
その表情に幸村の喉はごくりと小さく音を立てる。
可愛らしく、扇情的。
まるで自分を誘っているかの様なそれに胸が高鳴る。


「桜華……」

「せーいち、えっちしたい……」

「!」

「ね、ずっとうずうずして……せーいちに触ってほしいの……」

「っ……」


足を絡める様にして幸村に摺り寄る桜華。
下半身が密着した事に彼の興奮も高まる。
摺り寄せながら、「んっ……」と既に感じている様な声を出す桜華を見ては、もう我慢がきくはずもなかった。
幸村の理性も、ここまで。


「桜華っ……」


丁度よくある机に彼女を優しく、それでいて強く押し倒すと、桜華も願望が叶った事に喜びの表情を浮かべた。
それがまた幸村を煽る。
はあっ……と熱く息を吐くと、桜華に覆い被さり激しく唇を貪る。


「んっ……ふっ、ぁっ……」

「ん、ん……はっ……」


ちゅ、ちゅ……というリップ音と、くちゅ……と言った唾液の混ざる音が興奮を高める。
唾液が口端から垂れようがお構いなしに無我夢中でキスをする二人。
いつもより興奮しているのか、幸村のキスはなかなか終わらない。
角度を変え、舌を入れては桜華の咥内を犯す。
桜華もそれに応える様に舌を絡めながら彼の首に腕を回す。


「はっ……ふぅ、せーいちっ……」

「は、は……桜華……エロい……」

「せーいちも……えっち……」

「俺いつもより興奮してるかも……」

「うん、私も……」


ふにゃりと緩めた表情も今は彼を煽るだけ。
「ごめん、止まらない俺……」そう言うと、あっという間に制服を肌蹴させた。
露わになる胸……見るだけでは物足りないと彼はすぐにそこに触れる。


「桜華……っ」

「ぁっ、せ、いちっ……」

「ね、今日は全部桜華が指示してよ……どうしてほしいか……」

「や、無理っ……はずかしいよお……」

「ふふ、今更……?あんなえっちな感じで俺の事誘ったくせに……」


「言ってくれなきゃ触ってあげないよ……?」そう耳元で囁けば彼女が言う事を聞くと分かっている幸村。
彼自身勿論今すぐにでも滅茶苦茶にしたい気持ちが強いのだが、それだけでは面白くない。
セックスには駆け引きも必要だと、ただ抱くだけでは面白くないと思ってしまうのは彼の悪い癖。
彼の囁きにぞくぞくと身震いしながらも性的興奮が一気に高まった桜華は、熱い吐息を漏らしながら彼にお願いをする。
可愛らしく、いやらしく。


「せいいちぃ……ぁ、ちくび、くりくりってして……?」

「うん、いいよ……くりくりだって、いやらしいね桜華は……」

「ぁんっ……はあっ、あっ……」


望んだ通りの快感に悦びの声を上げる。
既に勃っているそこを指で摘んであげるだけで彼女は快楽を覚える。
幸村も桜華が感じているそれだけで興奮し、下半身にあるそれを勃起させていく。


「それだけでいいの……?」

「あ、ぁ……やだあ……」

「じゃあ次はどうしてほしい……?」

「んっ……舐めて、せーいち……」

「んー……?どこを舐めてほしいの……?」

「ちくび……ね、おねがい……」

「急かさないの……ふふ、可愛い……」


彼女のお願いの通りに乳首を口に含み舌先でちろっと舐めてやる。
すると先程よりも大きな嬌声に彼も嬉しくなる。
もっとその声が聴きたい……そう思った時にはより舌をそれに絡ませてねっとりと舐め回していた。
そうすると彼の望み通りの声が聴ける。


「あぁっ、ぁっ、あっ……せーいちっ……はぁっ」

「ん、ふ……っ……」

「きもちい、きもちいいっ……ぁっ……」

「はっ……っ」


桜華の素直な言葉に更に興奮を高める幸村。
彼自身もっと触りたいと思い、そして早く彼女の中に入りたいと思っている。
だがまだ彼女を愉しませ切っていない。
そこは男として我慢のしどころでもある。


「ね、桜華次は……?どこ……?」

「ぁ……ん、した、ここ……」

「うん……?……ふふ、うん、上手だよ……」


次を聞かれた桜華は、彼の手を取り自分のスカートの中へと誘導する。
その行動一つとってもいやらしく、幸村はより昂る。
彼女に誘導されたそこを下着の上からつー……っと撫でてみると、冷たく濡れているのがすぐに分かる程。
何回か擦れば彼女の声も大きくなる。


「あっ、ぁ……ぁっ、せ、いちっ……」

「下着濡らし過ぎだよ……?どうするの?替えなんかないでしょ……?」

「ないっ……ぁっ」

「じゃあ仕方ないね……今日一日桜華のえっちな蜜で濡れた下着を履くしか……」

「そんな風に、はぁっ……言わないで……」

「嫌いじゃないくせに……」


下着の隙間から指を差し込み直に彼女の敏感な秘部に触れると、面白い程にびくっと震えた。
その反応にぞくぞくっと彼も興奮で震えた。
とろとろになっているそこは、幸村にはあまりにも魅力的。
指を動かすのを止められない。


「凄い……ねえ桜華本当に濡らし過ぎ……」

「ぁんっ……はぁっ、あぁっ……」

「今までで一番濡れてるかも……っ、本当やらしい……」

「せ、いちぃっ……あぁぁっ、せーいちっ……」

「はぁっ……桜華、桜華っ……」


抑えきれない興奮を名前を呼ぶ事で発散させる。
幸村は性急に桜華の下着を脱がすと、足を大きく広げさせる。
ぬらぬらとやらしく光る彼女のいやらしい部分をまじまじと見つめる。
それだけで彼の性器はより勃起した。


「可愛い桜華……っ、はあ……本当に今日はすごいね……」

「見過ぎ、だめ……っ」

「嘘……見られて興奮してるんでしょ……?きゅうってなるの分かるよ……」

「ひあぁっ……」


再びそこを擦られ、桜華は嬌声を抑えられない。
幸村は彼女の声ににやりと笑うと、「もっと気持ち良くなって……ここからは俺の好きにするから……」と言って焦る様に彼女の股に顔を埋める。
それだけで桜華は期待してしまう、次に彼が何をしてくれるのかが分かるから。


「せいいちっ……」

「んっ……っ、ちゅ……」

「あぁんっ……あっ……!」


望み通りの刺激に歓喜の声を上げる。
それに応える様にして、幸村も彼女の敏感なそこを舐め続ける。
桜華が彼自身と繋がり中で感じる事の次に好きな行為がこれなのだ。





「はあ〜……確かロッカーにお菓子ストックあったよな……食べてないやつあった……はず……?」


ブン太は手元から尽きてしまったお菓子を取りに部室に向かっていた。
彼の記憶が正しければ、自分のロッカーに先日貰ったチョコが入っているはずだと急いで教室からやって来たのだ。
そして何も気にしないまま、部室に鍵がかかっているかも何て思わないまま、ブン太は部室の扉を開けた。
幸か不幸か、ドアの鍵は開いていた。


「ま、誰も居ねー…………!?」


そう思っていた、その瞬間までは。
誰も居ない部室だと思っていた彼はその考えを大きく捻じ曲げられた……あらぬ方向へと。
目の前に広がる世界があまりにも非現実的な光景過ぎて、呆然としてしまう。


「あぁっ、あんっ……せーいちっ……!」

「は、はっ……っ……んっ」

「もっと、ぁっ……なめてっ……」

「っ……んぅっ……ふ……」


ぴちゃぴちゃ、じゅるじゅるといういやらし過ぎる音がブン太の耳に入ってくる。
同時に、自分の想い人である桜華の股に顔を埋め、そこを舐めているであろう彼氏の幸村の姿が嫌でも目に入る。
逸らせない目、塞げない耳、動かない足。
彼は出来る事なら早く自分に気付いてほしいと願うばかりだった。




あとがき

実はずっと書きたくて仕方のなかった話。
がっつりやらしい話です……描写はいつも通りのぬるぬるですが。
今後三人がどうなるのかはまた次回。