疑応答 ほか

ここはどこ?
 朱鷺坂市。ここはお前の家の成れ果てだ。なんとなく見覚えがないか?
→言われて見てみると瓦礫に混ざってあなたの私物が壊れた状態で転がっている。ここはあなたの家のようだ。

いつ起きた?
 お前の少し前だ。待ってる間に周囲を見ていた。

何かあった?
 瓦礫しかない

世界崩壊って
 なんとなく世界が崩壊してると理解した。詳しいことは俺にもわからん。

今日は何日?
 3/4だ。

昨日はなにしてた?
 何をしてたかな。覚えてない


【凪苫】

KPCにアイデア
 何をするにも慣れた手つきである

KPCに目星
 記憶にあるよりも少し大人びている


【道中】

@割れたコンクリートの道を歩いていると、瓦礫に足を取られ思わず転びかけてしまう。転ぶ──!そう確信し、赤子のようなミスを恥じ入るような隙もなく。隣にいたKPCが咄嗟に、あなたの手を掴んだ。
「足元くらい見ろ」
 そのまま強く引かれ、何を言う間もなく腕を引いたまま歩いていく。必然的に、あなたも着いていくことになるだろう。

A歩いている最中、ふと視界に何か人影のようなものが映った気がした。慌ててそちらを向くと、なにか黒い人型が、ぼんやりと遠くに見える。それ少し揺れているようで、何故かと考える間もなくその影が次第にはっきりと見えてくるだろう。近付いてきているのだ。
 自分たち以外の人間の姿。それに思わずKPCを見るが、まるで気づいていないのか全くそちらに意識を向けていない。
(人影のことを伝える)
「………………………人?」
 途端、KPCの顔色がさっと青ざめた。あなたを押し退ける勢いで教えた方向を見るが、視線はさまよいまるで見えていない様子である。
「どこにいる?何をしてる?どんなやつだ?」
 忙しなく繰り出される質問に答えようと、あなたは人影に目を向ける。すると、何故かその人の姿が分からないことが分かった。……それは人の形をしている。黒くて、何故か服装も顔も分からない。けれど人で、こちらに近づいてきている。ゆらゆら、ゆらゆら。一直線にこっちに──あなたに、近づいてきているだろう。ぞわ、と走ったのはおそらく、嫌悪感だ。
「行くぞ!」
 自分はどんな顔をしていたのだろうか。あなたの顔を見るなり、KPCはあなたの腕をつよく引き走り出した。悪寒に落ち着かない足を必死に前に運び、あなたも走る。
 ふと、後ろに目を向けた。人影は揺れるのを止めていた。その変わり、
 何故か、人影が嗤っている、と、あなたは分かった。

B突然、ぽつりと上から水滴が落ちてくる。何事かと見上げるも空は快晴。しかしやがて水滴の大きさは増し、量も増し、雨と確信できるほどに強くなる。天気雨だ。
「雨…?何故………いや、そんな場合じゃないな。あそこで凌ぐぞ。にわか雨だろう、どうせすぐ止む」
 KPCが向かった先は学校である。ほとんど灰色の塊と言っても過言ではないが、歪んだ表札だけが以前の姿を知らせてくれるだろう。元が大きな建物だったということもあり、崩れてもなお2人が雨をしのげる程度の働きは見込める。
 学校に入ると、割れて散らばっていたガラスが音を立てた。すぐ近くにあったから、という理由で立ち入った学校のため、特段あなたやKPCの母校ということはない。本当にゆかりのない学校だ。
 どうやら小学校のようで、置いてある道具はほとんどが背の低いものばかりだった。雨が止むまで当たりを見て回ろうという話になり、暗い廊下を進んでいく。いまでこそ雨が降っているとはいえ、空模様自体は青空だ。何故こんなにも暗いのだろう、とふと疑問に思う。立地が悪くて太陽の光がうまく届かないのだろうか。いいやまさか、今の周囲にはビルもマンションも存在しない。
 ──突然、なにかに見られている、ということを自覚した。
 何かがあなたを見ている。あなたを観察している。否、この学校がなにかの鳥かごのように。
 この学校の中を、眺めている。

 たまらなくなり、外に目を向けた。冷や汗が頬を伝う。脳が警報を鳴らす。そこにあったのは先程までの青空ではなかった。

 眼だ。
   眼
         眼
  たくさんの眼
     が

あなたを
 みて いる

 ヒュ、と息を飲み込む音がした。誰かなんて考えるまでもない、あなた自身のものだ。

 ──瞬きをすると、眼は消えていた。しかし、感じた気味の悪さは消えない。
 雨は既にやんでいた。