12
「それ以上近づくなよ」
「えー」
学校からの帰り道、後ろを歩く萩原を警戒しながら歩く。
「外でももっと浅井に触りたいんだけど」
「だめだ」
萩原は不満そうに唇を尖らせつつも、素直に距離を置いてついてくる。
「浅井の家に着いたら、思う存分触っていいよな?」
「…好きにしろよ」
萩原の顔に、満面の笑みが浮かぶ。
萩原には敵わない。
浅井も微かに口元に笑みを浮かべ、歩く速度を速める。
萩原までの数メートルを、縮めるまであと少し。
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