05

「隆兄も、これで気持ち良くなって?」
 そう呟いた秀司に、精液で濡れた後ろへ、つぷりと何かを挿入れられた。卵型のそれを、指で奥へと促される。
「…んぅ…っ!」
 入れられたローターが、ナカで小さく振動を始める。ローターから伸びたコードは、秀司の手に握られたリモコンに繋がっている。小刻みに与えられる刺激は、今まで感じた事のない類のものだ。
 突然、秀司に乳首を摘ままれ、隆正は驚きに身を固くすると、思わず後ろに力が入ってしまい、ローターが自然と奥に入り込む。
「…あぁ、ッ…!」
 強くなった振動と共に、腰から背筋にびりっと電流のようなものが流れた。
「いいとこに当たってる?」
 奥のしこりのような部分に、持続的にローターの振動が加えられる。その度に、前を触るときとは違う種類の快感が、背筋を駆け抜ける。
「なんだよ、これ…、止めろよッ、秀司…!」
「ふふっ、かわいい」
 秀司は嬉しそうに微笑んで、隆正のうなじに舌を這わせる。
 すっかり萎んでいた隆正のモノが、再び硬さを取り戻し始める。みるみるうちに大きくなり、腹に付くほどに反り返った。
 自分の身体の知らない部分を暴かれていくことが、怖い。
「いやだ、秀司…っ、秀司…っ」
「大丈夫。今あげるから」
 そう言うと秀司は、ローターが入ったままの隆正の後ろに、己のモノを宛がった。
「秀司…!?―――ッ!!」
 一気に貫かれ、最奥に叩き付けられたローターが、ごりっと音がするほどに、前立腺を抉る。大きく背から喉まで仰け反らせた隆正の前は、後ろへの衝撃と共に弾け、白濁が車窓にはたはたと飛び散る。
「は…ぁ、ア…、あ…、ぁ…」
 秀司は、隆正がイったばかりでも、お構いなしに腰を振り始める。秀司のモノが奥を突くたびに、ローターが押し上げられ、隆正の前立腺を掠めていく。そのたびに、隆正は突き抜ける快感に、背筋をびくびくと仰け反らせる。
「隆兄…。いずれは玩具を使わなくても、イけるように開発してあげるから。俺ので何度も何度も暴いたら、きっと俺のでしかイけなくなるよ」
「…ぁ、…ァぅ…、あ…、ッ…」
 隆正は虚ろな目で、車窓に反射する弟の顔を見遣る。
「きっとすぐに、俺なしではいられなくなる」
 弟の目は、盲目的な狂気に、妖しく光っていた。


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-家庭内密事-
-彼の衝動-