もしもシリーズ


「なまえちゃん、俺と結婚して」

唐突に突き出された一枚の紙と、お決まりの台詞。この男が一体何を宣ったのか、一瞬理解できず硬直してしまう。まさか、そんなありえない。紙切れ一枚によって様々な法に縛られることになることを承知の上なのだろうか。

「今一度聞くが⋯私と結婚するつもりか?」
「だって⋯なまえちゃんが言ったんだよ?今以上の関係を求めるなら婚姻届とそれなりの覚悟を持って出直せって⋯」
「⋯」

確かに言った、そんなことを。しかしまさかこの男が言った通りに紙切れ一枚と確固たる意志を感じさせる目を持ってやってくるとは思ってもいなかった。

「まさか本気じゃない、と思ってる?」
「法に縛られるぞ」
「そういうプレイをお望みなら」
「その口、まつり縫いするぞ」

しばしの沈黙。
女ならば、一度夢見るだろう。どこか景色の良いところでロマンチックな台詞とともに指輪を携えてのプロポーズというシュチュエーション。

「ふふっ」
「なに⋯?」
「」