サバイバル界のサラブレッド

大先生のツイッター見てたら千空の話ししてて、やられる前にやらねば……!?!?と謎に焦ったので先にクロスオーバーを書いておこうと思う。

>>夢主
内人とユラの娘。高校生。
小説家のパパ、専業主婦(?)のママに愛されて時に厳しく時に優しく時に育てられた、サバイバル界のサラブレッド。パパはサバイバルのプロとして娘を山で死なないようしっかり育てたし、ママは秘密結社の上級幹部として何もなくても生きてられるようしっかり教え込んだ。5歳の時手ぶらで内藤家の山に入り、3日耐えたので内人は「さすがユラさんの娘……」と思ったしユラは「山は内人くんの専門だからな……」と思った。パパを未だにライバル視するおじさん(四十路)のおかげで銃火器が使える。初恋は創也おじさんだったので内人が泣いた。石化後の世界には牛乳パックも配布ティッシュもないけど、経験があるのでパパママの教えを忘れずどうにかやっている。

>>おためし 時系列とびとび
暗がりから抜け出す感覚は、幼い頃の記憶を呼び起こす。ひとりで山に入ってから3回目の夜の終わり、朝日が上ったらパパが迎えにきたこと。 「おはよう。山はどうだった?」
3日間娘がサマーキャンプに行っていたような呑気な口ぶりだった。5歳の私は、傷だらけの腕をパパに伸ばして号泣した。擦り傷だらけだけど、大きな怪我はない。お腹は空いてるし疲れているけど、動けないほどじゃない。それでも心細かった、怖かった。泣きじゃくる私を抱きしめてパパは言った。
「えらかったね。君はここが山だとちゃんとわかったんだ」
パパは私と手を繋いで山を降りた。家に帰るとママが「あら、おかえりなさい。どうだった?」とこれまたサマーキャンプの感想を聞くみたいに笑っていた。傷だらけの腕に絆創膏を貼ってよく頑張ったね、と褒めてくれた。

その後も何回も山に入ったけど、私はいつもパパの言葉を思い出す。恐れることを忘れてはいけない。逆立ちしてよく考えて……最後の最後は神のミソ汁。私は私ができることをするのだ。

@@@

目を覚ましたら、あたりは鬱蒼とした森の中だった。しかし知らない森でも森は森。幼い頃より自然の中でも死なない方法を叩き込まれたお陰で私は呆然とする間もなく動き始めた。

この世界にはナイフがない、それならばと探しても空き缶もない。ナイフが欲しい、パパの教えたサバイバルにどんな形であれナイフは必需品だった。ナイフさえないとなると「とりあえず何もなくても死なない」ママのサバイバルの出番だ。「食べなくても飲まなくても、人間何日かは活動できるのよ。ウッカリ食べて死ぬくらいなら食べない方が100倍マシ」ママの教えを思い出しあの手この手で数日生き延びた。拾った石で作ったナイフが完成した頃、私はどうやら人類は絶滅して久しいと結論づけた。文明の残り香さえ感じない、石像だけの世界だ。

@@@
ナイフを手に入れた!無敵だ!これで罠も服も家も!何でもできる!浮かれる私に頭の中でパパがやれやれと言った。「名前、ここは自然の中。そんなに調子に乗りやすいとこの先が心配だね」「内人くん、まさか自分のことを棚に上げて……」「うるさいな!!!!」おじさんとパパがついには取っ組み合いを始めてしまった。運動神経のないおじさんがほうほうのていで逃げ出す。パパはくるっと振り向いて「慢心が危険を生むんだよ。どうか、気をつけて」とアドバイスをする。私は作ったばかりのナイフをしっかりと握り直した。


@@@シーン8
こんなんだったら真面目に覚えておくんだった。モールス信号のことである。パパは欧文モールス使いの和文モールス使いだったので、それを習った私も上手にモールスが送受出来るかと思いきや……
「名前……」
「うっごめん、ズレてるよね、自分でもズレてるのはわかるよ……」
「どういう覚え方したらこうなるんだよ。器用に混用しやがって」
「すみません……」
「覚えなおしだ。今後も間違いなく使うぞ」
転記係を千空が代わり、間違ったルートを訂正していく。めちゃくちゃに間違っている。恥ずかしくて情けなくて消えてしまいたい。まともに通信できることの重要さをここにきて痛いほど実感しているので、千空の言葉に項垂れた。

金狼の背負った携帯に通信は今も入り続けていて、千空はそれもちゃんと拾って転記していく。発信者であるゲンは出掛けに習っただけだというのに速攻使いこなしているので余計に情けない。

今回のことが無事に終わったら、ちゃんと勉強しなおそう。まだ敵地についてもいないのに、終わったことを考えている自分に気がついてため息が出る。肩掛け鞄に仕込んだトラップの数々が重たくて仕方ない。

@@@シーン8to9
「何にもないっていうのは逆になんでもあるってことだ」
世界が一度石化して知ったのは、パパの得意とする「手持ちを駆使して3分クッキング」はものの溢れた旧現代だからこそ通用するのだということ。輪ゴム、そもそもゴムがない。ビニール袋、高度な蒸留装置の開発が待たれる。街を歩けば貰い放題だったティッシュ、牛乳パック……両方紙。給食の牛乳は嫌いだったけど今は懐かしさ通り越して切望レベル。

きたる司帝国戦に向けて私はとりあえず蔦を切ってきて石でたたいて滑り止めを作った。良さげな小石は拾ってポッケにしまう。かんしゃく玉の用意もしておきたい。あるものでも準備はできる。人の死なないトラップと飛び道具、それから怪我人が出た時の準備くらいしか私にできることは無いけど、大事な準備だ。

「名前!紙作るぞ、手伝え」
「か、紙〜〜!?」
「千空!名前も驚いてるじゃないか、戦車を作るのに紙って……」
「ほしい!紙!ほしいよ!!めっちゃほしい!!!!何したらいい!?伐採!?草刈る!?!?」
「あっそっちね……名前ちゃんもクラフト勢だもんね……」
「て、手伝う!死ぬほど働く!でもってお願い!できたの1枚わけて……」
「……言ったな?死ぬほど働いてもらおうじゃねーか!」
久しぶりに触った紙、粗くて硬いけどめっちゃよかった。紙、最高。千空がプラスチックも分けてくれたので完璧だ。

「これで万が一懸垂下降するようなことが起きても安心だ」
「……名前ちゃん一体何しに行くつもり?」
「大丈夫、もしもの時は千空背負って降りるよ」
「た、頼もしい〜」

@@@シーン14to15
「で、結果として和文も覚えておいて役に立ったというわけ」
「ゆ、優秀すぎる……秀才メンタリストだ……もちろん咄嗟に1文字送った龍水もすごいけど……」
他のものを作る過程を挟んだりしたけど、ドローン作りは着々と進んでいる。龍水が操縦に慣れてきた頃、我々ははちまちま小道具作りに励んでいた。

「名前ちゃん、拳銃もドローンも名乗りをあげなかったね。どうして?」
羽京が顔も上げずに聞いた。さっきまでペラペラ喋っていたゲンも全然動じていなくて、責められている私だけが手を止めた。考えるのと手を動かすのを同時にしたら失敗しそうだったので。 
「適任がいたから。私は別に、陽みたいに日常的に撃ってたわけじゃないし、操作の腕は龍水に敵わない」
「どっちもやってみてないのに?」
「いや、龍水に関しては知ってるし……」
「ああ、会ったことあるんだっけ、お坊ちゃん時代に」
「すごかったよ。今と全然変わらない……金に物を言わせた大暴れっぷりで」
ドローンなら、散々使っていた。RRPGでは結構出番があるデバイスのひとつだったから、幼稚園の頃からリモコンを持たされて小学生のうちにライセンスを取った。拳銃は、まあ国内じゃ使えないし。

パパは龍水もよく知るRRPGの第一人者だったし、栗井栄太の人たちはパパに対抗して色んな武器の使い方を教えてくれた。今回の作戦の要はどっちも使えるけど、手を挙げられるほど自信がない。その点龍水なら安心だ。石化以前にパパたち南北磁石、それから栗井栄太の新作披露の会場に龍水はよく現れた。彼のドローンの腕もカートの扱いもこの目で見てよく知っている。

「ほかに活躍の場所があるからいいの。無理をしないのが、長生きのコツ」
「長生きするのに、ココナッツが何か役立つの?」
わたしがカバンから出した丸い物体にゲンは顔を引き攣らせた。警戒するほど危なくない。さっきアマリリスが持ってきたやつだ。
「さあどうだろう。神のミソ汁ってところでしょうか」
「ああ、やっぱり名前ちゃんって内藤先生の娘だよね……」
「爆発させてみようか?状況が大きく変わるかも」
「冗談でしょ……」
南国でココナッツだのジャスミンだのを仕入れられたのはラッキーだった。頭の中で南国リゾートコーデの創也おじさんがいらない含蓄を語る。「ココナッツの殻は内人くんの手を借りないと開かないくらいものすごく硬い。しかし落下による負傷については誇張された都市伝説だとされるね。ということで肉体労働は内人くんにパスしよう」一生懸命殻を地面に叩きつける創也おじさん。すぐに諦めてパパにパスした。パパは「名前、よく見て割ってごらん。観察はサバイバルの基本!」と笑ってココナッツジュースを片手に退場した。

壁面をよく眺めてから地面に向かって勢いよく振り下ろす。
パカン!
成功だ。綺麗な白い中身がみえている。
「まずは腹拵えからいこう」
「長生きのコツだね」
羽京がナイフを受け取ってココナッツを削いだ。私たちも順に果肉を口に運ぶ。今だけ南国気分を味わったら、超絶ハードな工作に戻ることにしよう。

@@@シーン20
「飛行機を飛ばそうとしてる!」
煙幕なんてものともしないヘッドショットに続いては戦闘機からの襲撃。隣のバイクに乗ってる司が撃たれた。視界が悪くて見えないけど氷月にも当たったようだ。血が出てるひとは一刻も早く手当てをしなくちゃいけないのに、そんな猶予は与えてもらえないらしい。必死にバイクにしがみついて今はただ、逃げることだけを考える。

「砂漠で上空を戦闘機に飛ばれたら、生き延びる手はゼロだ」
後ろから迫るひとたちは本物の戦闘員だ。パパや柳川さんたちとは違う、完全なプロ。私が会ったことのあるプロは休暇中のホテルベルリンの面々くらいだが、それだってパパに速攻逃がされて私が見たのはその実力の1割にも満たないだろう。

スタンリーは本物で私たちを撃つことを躊躇わない。現に先程2人撃たれた。距離は離れているのにスナイパーの殺気はここまで届く。生き延びる、死なない、怪我をしない。生き延びる手立てをぐるぐる考えて、それが千空の声で急に止まった。
「飛ばれたら、だがな」

戦闘機のエンジンが死ぬ音がした。
「あ、まさか……」
パパに「やっちゃいけないこと」として習った知識が頭に再生される。モノを壊すのはいけないこと。安全にかかわるものは尚更だめ。でも知識として、パパに習った車の壊し方。心臓の壊れた戦闘機は落下していく。

私の目にはわからなかったが、どうやらあれは龍水と千空がドッグファイトに使った機体だったようだ。敵にぶん取られることがわかってる兵器をそのまま渡すわけない、と千空が叫んでいる。その通りだ。この男が大人しくやられっぱなしなはずがなかった。

すぐ近くに戦闘機が墜落したのを横目にバイクは疾走する。
「ッシャア!破ったぜ!スタンリー包囲線!!」
風の遠くで懐かしい、キャラメルコーンの匂いがした気がする。はるか昔になくした現代文明の匂いが懐かしくて、マジで泣いてる場合じゃないのに涙が出そうになって慌ててハンドルを握り直した。


>>これはツイートのメモ
龍水、絶対RRPGやったことあるくないですか?あるでしょ doubleの製品化テストプレイにいそう 神宮寺直人と気が合うタイプだし、なんなら黒須島にもいたような気がしてきた




*前次#

TOP