どうしても家に帰りたかった。
祖母に聞けばごめんねと謝るばかりで、祖父に聞けば絶対に行くなと怒るだけ。祖父は怒った後、私が悪かったといつも咽び泣いていた。
どうして帰ったら行けないのか分からなかった。
兄はあそこにはもう言っちゃダメだと私を抱きしめた。
家に帰るだけの行為に、どうして。
父は仕事で母は食材の買い出し、この気を逃したらいつ帰れるか分からない。ごめんなさいと、誰もいない部屋に向かって謝って家に向かった。
家までの道は覚えている。悪いことをしている訳でもないのに、足を忍ばせて扉の前までたどり着く。そうして、扉を開こうとしたところで後ろから肩を叩かれた。
その瞬間、思い出した。