思い通りにいかぬ人を神様は許すのか
手を繋がれそうになるのをなんとか阻止しながら、私とリドルくんは三本の箒に入った。
中には当たり前だけど、ホグワーツの生徒。カウンターの端に隠れるように座るも、視線が痛くて胃がキリキリしてくる。

「マダム、バタービール二つ」
「あらトムお隣は?可愛いわね」
「ああ僕のカノ「同級生ですぅぅぅ!!はじめまして!マダム!」

爆弾発言をパブ中に聞こえそうな声で言いかけるリドルくんを遮って、満面の笑みを浮かべてマダムを見やれば、一瞬きょとんとしたがそれはそれは優しい笑みを浮かべてくれた。

(マダム美人…!感動…!!)

別のテーブルの注文を取りにマダムが去ってしまっても、ヴィーラを思い出すようなマダムの美しさにぽーっとなっていればリドルくんが私をじっと見ていることに気付く。

「あーリドル、くん?」
「…なにかな名前」

なんだか声が1オクターブ下がったような、そんな気がする。いや気のせいだ。きっと気のせい…たぶん。


(おぅのーっ!)
(マダムだけが私の癒し!)
katharsis