神様は崇めたてられる為に災害を起こす
クリスマス休暇は基本的に学校に残る生徒は少ない。親と共にクリスマスを過ごしたり、友人宅のパーティなどでみんな予定が入るからだ。
残る私は少数派。まあそれは構わないのだけれど、3階のトイレで他寮の少女に「あんたもパーティ?」と聞かれ、残ると答えると随分と可哀想な目をされたのは結構堪えた。「マグルでいじめられっ子のあたしでさえ呼ばれたのに…なにしたのよあんた」
何もしちゃいないのだけれど。

友人の話を聞いていると、どうやら今年は大きなパーティがあるらしい。キャシーに招待されていないのかとそれはそれは驚かれたが、まあどっちにしろ行かないのだから問題はない。
そんなこんなで、今年のクリスマスは学校に残る人がいないらしい。教授でさえも、パーティだなんだと学校を留守にしている。教師としてどうなんだ。

ガランとした大広間にナイフとフォークを動かす音だけが響く。
クリスマスは基本的に朝食の時間が自由だ。大広間に入ると、ズラリと食べ物が並べられる。これはダンブルドア教授の魔法で、ゲートをくぐった生徒が最も食べたいものが出てくるらしい。クリスマスだけのサプライズだと、本人がお茶目に私に話してくれた。
なんでそんなことをグリフィンドールでもない私に話してくれたかと言えば、

「2人きりなんて、びっくりだね」

そう。この目の前の男と私が2人きりだからだ。
トムと楽しむんじゃよ、と悪戯な笑みを浮かべたあの狸を私は許さない。


(しっとっ!)
(どうしてこうなった!)
katharsis