キスしないと出られない部屋
目を覚ますと見知らぬ部屋。
ワンなんとかでぃーけーみたいに余裕のある広さではなく本当にただの狭い部屋。
真っ白なベッドと小さなテーブルだけが置かれているだけの小さな部屋だ。
「起きた?」
「足立さん...ここどこなんですか?」
「さぁ。」
「とりあえず出ましょうよ。」
「出られるものなら出てみたら?」
足立さんに意味深な言葉を言われ、疑問に思いながらも扉を開けようと手をかけると
ご丁寧に外側からしっかりと鍵がかけられ開くことはなかった。
「だから言ったじゃない。出られるものなら出てみたら?って、」
「じゃ、じゃあどうすればここから出られるんですか?」
「それ、読んでみな。」
テーブルの上に封筒が置かれている。
封が開いていると言うことは足立さんが先に中を見たということだろう。
「...嘘、ですよね?」
その手紙には
キスをしたら出られます。
とだけ記されていた。
「どうする?」
「どうするって...するしか、ないです...よね...。」
目の前には足立さん。
こんな状況初めてじゃないのに目が泳いでしまう。
「もしかして緊張してる?」
そう言う彼は私をゆっくりとベッドに押し倒し、髪から耳、そして首筋へとキスを落とす。
できることなら今のキスで開いてほしかったけれど、判定はそう甘くないらしい。
「やっぱり口じゃないとダメらしいね。いつもしてるんだし平気でしょ?キスぐらい。」
決して平気ではない。
誰に見られているかもわからない部屋で、扉を開けるためにするキスがいつもと同じキスなわけがないのだから。
「なんでもいいから早く出ましょうよ...。」
「遠回しにキスしたいって言ってる?」
「ち、ちが...んっ」
の口を塞ぐように彼の唇が重なる。
遠くから鍵の開く音が聞こえたということは扉が開いたということか。
やはりどこかで見られていたのだろうか...。
「帰りましょう?」
「続きは家でしましょうってこと?」
「...」
「嘘だって、そう怒らないでよ。」
「誰も嫌ですなんて言ってませんよ?」
それ、期待してもいいってこと?と続けた彼の目が
初めて見たと言い切れるくらいに輝いてた...。