すべてが終わったらもう1度


「足立さんって彼女いないんですか?」

そう聞いてくるのはジュネスで居合わせた名前ちゃん。
学校帰りで疲れている。サボっていたのを秘密にする変わりにアイスを奢れ。
と脅され今に至る。

「いそうに見える?」
「いや、あー...うーん...。」

そこ悩むところなんだ...。まぁいいけど。

「名前ちゃんは?」
「いるように見えます?」
「すごく。学校でモテモテでしょ?」
「いやまったく。」

名前ちゃんは外見も良ければ性格もいい女の子だ。
モテて当たり前だと思っていたけど実際はそうでもないらしい。
うわー、こんなかわいい子彼女にしないとかもったいないでしょ...。

「名前ちゃんイケメン好きでしょ!」
「それはないです。」

即答された。
顔は気にしてないってことか。

「じゃあ性格重視?」
「そう、ですね。優しい人...?んー、でも結局は一緒にいて楽しい人のほうが好きかもしれないですね。」

性格...。
きっと僕じゃ彼女好みの性格には当てはまらないだろう。
彼女が知る足立透だけを見れば当てはまるのかもしれないけど。

「じゃあ、足立さんの付き合いたい!って思う女の人はどういう人なんですか?」
「ぼ、僕!?」

名前ちゃんは目を輝かせて僕を見る。
高校生ってこんなに目輝いてたかな...。
それとも彼女が純粋なだけなのだろうか...。

「僕、付き合うなら名前ちゃんがいい。それじゃ、僕仕事あるから。じゃあね」

"がいい"って言ったの伝わった?
別に伝わってなくてもいいんだけど。

ジュネスを出る前に後ろから僕を呼び止める声が聞こえたけど聞こえないふりをした。
だってそこでちゃんと好きだって言っちゃったらつまんないでしょ?
また後でちゃんと言うって。
そうだなー、すべてが終わってから。とでも言っておこうか。