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「記憶は戻りそうか?」
「...よくわかんない。」
病室に来ていた悠くんにそう話す。
思い出せそうでもぼんやりとしていてしっかりと思い出すことができていない。
「だと思って俺とスバルの思い出少しだけ持ってきたんだ。」
思い出。と悠くんが病室に持ってきたのは、かわいらしくデコレーションされたフォトアルバム。
丁寧、とまでは言えないけれど色画用紙で作られた文字が表紙に貼られている。
綺麗ではないけど雑でもない、この作り方は間違いなく私が作ったものだ。
「見覚えある...気がする。」
「あとはこれ、」
悠くんのスマートフォンの画面には私と撮った数々の写真が映し出されていた。
街でバレないようにさりげなく撮った写真や、どちらかの家で撮ったおそろいのパーカーで身を包んだ2人のツーショット。
「...!」
いままでのモヤモヤを打ち消すように、まだ完全とは言えないけれど頭の痛みと共に記憶がよみがえった。
私は、悠くんと恋人同士で何かと世間を騒がせていたような...。
「悠くん...ちょっとだけ思い出した気がする。私たち家で過ごすこと多かったよね?私の家バレにくい所にあるからって。」
「ああ、よかった。ゆっくりでいいから今までのこと思い出していこう。」
「あのさ、1つ気になることがあるんだけど...。」
どうせなら聞いてしまったほうが早い。
いつまでも抱えていたってしょうがない。
どうでもいいことならもう、考えたくない
「この人、誰だかわかる?よくここに来てくれる刑事さんなんだけど...」
その瞬間、悠くんの目つきが変わった。
やっぱり聞くべきじゃなかったんだ...。
「その人、よくライブ会場の警護とか...してるはず。スバルと仲良かったし、スバルも写真撮るの好きだろ?だから...だから、写真残ってるんだ。...何枚も。」
「でも、この人私の恋人だって言ってたよ?」
「それは...ほら、スバルが仲良くしすぎるから勘違い...とか。」
「あー、そっか。それは悪いことしちゃったな...。今度来た時にでもちゃんと言っておくね。」
今度とはいってもいつ来るかなんてわかんないな...。
ちゃんとごめんなさい。って言えばきっと許してくれる...はず。
「スバルが俺のことを思い出してくれてよかった。」
「まだ全部思い出したわけじゃないからなんとも言えないけどね。でも、悠くんのこと悲しませないように1日でも早く思い出せるように頑張る!」
もう少しで、あなたをちゃんと思い出せる。
あなたに近づけるまでもう少し。