5


今日もスバルの病室へと足を運ぶ。
記憶を探し続ける生活も今日で終わりにしよう。

「俺とスバルの思い出少しだけ持ってきたんだ。」

俺が病室に持ってきたのは、まだ付き合っていたあの頃にスバルが作ったフォトアルバム。
丁寧でもなければ雑。というわけでもない独自の方法で彩られたフォトアルバムだ。
捨てる予定はなかったけれど、まさかこのタイミングで役に立つとは思ってもいなかった。
もう1つは愛用のスマートフォンに入ってる数々の写真。思い出す鍵になるのかはわからないが少しでも足しになればいい。


すると写真を眺めていたスバルが頭を押さえ苦しみだし、どうやらわずかながら記憶が戻ったようだ。

「あの、1つ気になることがあるんだけど...。この人、誰だかわかる?よくここに来てくれる刑事さんなんだけど...」

彼女が見せてきたスマートフォンの画面に思わず眉間に皺を寄せてしまった。
この人物こそがあの時スバルが言っていた、俺よりも好きな人ということなんだろう。
その人はスバルの本当の恋人なんだ。なんて口が滑っても言えない。そんなことを言ってしまったら俺が不利になるだけ。

だから俺は嘘をついた。

「その人、よくライブ会場の警護とか...してるはず。スバルと仲良かったし、スバルも写真撮るの好きだろ?だから...だから、写真残ってるんだ。...何枚も。」

こんな嘘いつかはバレる。
そんなことわかってる。
それでも、



君を失うのが怖くて
俺は、嘘をついた。