侵入、西本願寺
禁門の変以降、京の町はより一層の幕府の警戒はが強まり、最近では京を見回る新選組の姿があちらこちらで、目にするようになった。


確かに京に住む民にとっては、物盗り、食い逃げ、辻斬りと治安が悪くなる中で、それを取り締まる新選組は好印象であるだろう。

が、先人が湯水のように金をばらまいたおかけで、ここは長州贔屓の民が多い。

おまけに、会津藩が新選組に戦の加入を命令したせいで、こっちはますます動きづらくなっていった。




「時和先生とは、あなたのことでよろしかったでしょうか。」
「…え?」


あの一件以降桂さんは身を隠し、私も長州志士ということを忘れ、町外れにある屋敷に戻り、本職を再開していた。
幸いにも、京を燃えつくさんとした火は、私の家に到達する前に消え、家屋自体何の被害を出すことはなかったが、連日火事での怪我人が列をなし、医院はまるで火の車状態。

だけどその忙しさは、先日をいくらを一時でも忘れさせてくれるか、ちょうどよかったのかもしれない。


最近では、長州志士との接触もなく以前より心は穏やかだ。



そんな折、訪ねてきた人物の名を聞いて、私は驚きを隠せなかった。

「松本…良順殿?」


松本良順て、なんか聞いたことあるぞ…はて、どこだったか…。

「それで、私に何の用でしょう。」
「患者が」



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