さようなら
高校時代は毎日が部活を中心とした毎日で、朝練で1日が始まり放課後また部活で終わる。
そんな毎日の繰り返しだった。
バレンタインデーや夏休み、クリスマスと浮かれる周りを尻目に、部活に明け暮れていた。
それには理由があって、小学校から続けてきたバレーボールを高校までにすると決めていたからだ。
烏野高校は女子バレー部は、県大会で全国出場を争う男子とは違い、上の中といった成績だった。
近年徐々に強くなってきているといっても、県内の強豪と呼ばれる高校にはまだまだ及ばず、県大会は常に3位から5位をウロウロする成績だった。
そして最後の大会も県大会3位。ここ近年で最高位なんて言われて祝福してもらったけど、負けたことに変わりはないし、全国にも行けなかったことが全て。
総体に全てをかけていた。
だから、もし優勝できたら春高も、そう思っていた。
こうして私の10年間が幕を下ろした。
「町田、本当に春高は諦めるのか?」
「決めていたことです。それに、三年は強制じゃないですよね。」
「だか、ほかの部員は残ると言っているぞ。」
「そのことなら、もうみんなに話してあります。下級生にも。」
「町田…」
「3年間お世話になりました。私はこれで受験生になります。」
ペコっと顧問の先生に頭を下げると、振り返ることなく職員室を後にした。
受験生になると言っても、まずは何から始めればいいのだろうか。
職員室から教室に戻る途中。ふとぼんやりと考えてみた。
苦手教科を克服するとか?…そもそも私は、進学をするのかしないのか、専門学校、短大、四大、どこに進学すればいいのか。
意外に時間がないことを実感した私は、焦りながらも急いで教室に戻る気にはなれなかった。
今日は、この先の事を考えるのはやめよ。何も考えないで帰ろう。帰ってご飯を食べて、寝よう。