始動

【全国統一模試 個人成績表】

担任と相談して、いろんなレベルの大学と学部を書いて、真剣に勉強をして挑んだ初めての模試。

あれから3週間。ホームルームで渡された模試結果を踏まえた三者面談。
机に乗せられた模試結果を見て担任は終始にこやかだった。

「この結果ならもう1つレベルを上げてもいいかと。」と言われた三者面談の後、レベル上げてもいいなんて言われるなんて、あんたなかなかやるじゃない!と喜んでニコニコした母は、「あんたが好きなとこ行きなさい」と言った。

「大学の名前なんて、ただのブランド。大したことないわ。」
とある有名私立を卒業した母がいうとなんだか説得力があるようなないような。でもそれと同時に、なぜかとてもホッとした。そして、少し背伸びするのもいいかなと思った。


「あのさ。」
「んー?」
「ここなんだけど…。」

顔を上げた先には、とてもとーっても不本意と言いたげな顔をした月島が、数学の教科書を私の近くにおいて、シャーペンで問題を指す。

「ここ、この式を使うんだよね」
「…そー。」
「そう、…どうも」

それだけいうと、再び問題を解き始めた横顔を見て、自分も集中と英文を視線を移した。

インターハイ予選が終わった次の週は恒例の中間考査。その期間だけ部活動禁止令が出る、テスト期間前の一週間とテスト期間中の約2週間。
といっても部活動をしていない私にとっては、特に関係のない期間だったんだけれど、先日自習室で月島にあってから、なんとなく同じ時間に会うようになって、月島がわからないと言ったところを、私が教えてたことがきっかけで、いつの間にか顔を合わせれば隣に座るようになっていた。

「進学するんでしょ?」
「え?…あー、多分」

月島がそんなこと聞くなんて珍しいな、なんて思いながらお互いにお互いの顔を見ることなく、話しを続ける。

「多分て」ククッとどこかバカにしたように笑うのは、月島のもはや性質で最近は別に気にならなくなった。

「まだ考え中」
「ふーん」
「月島は?進学でしょ」
「まぁね。」

お互いこの3年間進学クラスに在籍し、一応勉強はしてきたけど実際に受験生になってみると、いまいち進学というものに、実感が湧かなかった。
大学に行って4年後には就職して、そうやって大人になっていく。

「大学に行ってもバレー続けるの?」
「はぁ…やるわけないじゃん」
「あ、そ。」