おまけ
街で薬を売る●にくっついて街に来た伊之助は、1人で街中を走り回っていた。
人のまばらな広い道を進んでいると、ある店の前にだけ人集りが出来ていた。
「こちらはホクサイ先生の逸品で…」
「あのホクサイ先生ですか!」
なんだなんだと覗いてみると、有名な絵師が描いたとされる春画が売りに出されていた。
男女の情事が恥ずかしげもなく描き出されており、挿入部を見やすくする為か、大半の絵は男性が女性を背後から貫いていた。その絵らを伊之助は食い入るように見つめた。
「なるほどな!」
絵を順々に見た後、伊之助は何やら納得したようにその店を後にした。
街中を探索し終えて、伊之助は●と離れた町外れに戻って来た。待ち合わせをしていたわけではないけれど、キョロキョロと●の姿を探す。
「………………」
伊之助はドスンと大木の根元にもたれて座り、町で見た春画の事を思い出してみた。
●は痛えって言ってたな………。
なんでだ?
あの絵の人間達もみんな似たような事して喜んでんじゃねぇか!アイツがおかしいのか?それとも俺か?
痛え思いはさせたくねぇよ。
けど、どうすりゃいいんだ?
………あの絵の人間には出来るんだぞ。
………………ホクサイには出来る!!
「俺にもできるに決まってんだろーガァァァァ!」
伊之助の心の声が口から大声で飛び出し、周りの人間達が驚いた顔で伊之助を見ている。
俺となにが違う?
もしかしてアレか!!?
背後からじゃねーからか!!?
それしかねぇ!!!
***
あの有名な……絵師です。
色々すみません。
2020.01.29