だめな僕を

世の為、人の為との思いで入った鬼滅隊。
けれど鬼との戦いはどれも過酷なものだった。
共に苦楽を噛み締めた仲間も同期も鬼に敗れ散っていった。その中で私は情けなく生き残ってしまった。
仲間も家族もいないならこの世にいる意味なんてないのに…。

鬼狩りの帰り道、背中から朝日が登った。
足からダラダラと血を流し手当もしないまま引きずって歩く。
戦いで折れた日輪刀を修理に出す気にもなれなかった。刀が治ってしまったらまた戦わなくてはならない。

「鬼狩り様」

ふいに声をかけられ、顔を上げた。
そこには藤の花の家紋。その暖簾をチラリとめくってお婆様がこちらを見ている。

●が願わずとも早急に手当てされ、食事、寝床を用意された。日輪刀が折れ、鬼殺隊としての心も折れた●がこの善意を受け取っていいのか迷う。

「お怪我が治る迄ごゆっくりしてくださいませ」
「あ…いえ、私は」

もう戦いたくない。
あなた方が善意を尽くすべく人間ではないの。

情けない自分。
鬼に対する怒りより、哀れみと恐怖が勝ってしまった。
これではもう…戦えない。




***
1番最初に書き出した夢。
お相手アンケート投票ありがとうございました!
選択肢にも入れて無かった無惨が、夢主様の「選択肢の追加」によって追加され堂々一位という結果になりましたので、無惨で書きました!


お相手調査〈投票結果〉
1位 無惨43票48%
2位 炭32票36%
3位 炎8票9%
4位 鬼5票6%
5位 伊2票2%
6位 水0票0%
7位 その他0票0%

2019.12.23
2020.01.07

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