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夢を見ていた。


舞台は真夜中のビルの屋上のようだ。


私は宙に浮いていた。

ここがどこだか検討もつかないが、少し離れたところに男性が二人いた。


一人は唯さんだと分かった。だが彼はスコッチと呼ばれていた。あだ名だろうか、

そして彼の目の前には長髪の目付きの悪い男性がいた。彼はライと呼ばれていた。


ここからではビル風のせいもあるが遠すぎて何を話しているのは分からない。

が、唯さんは長髪の男からピストルを奪った。


そして私の頭の中に誰かの思想が交じる。


「すまない零、奴らに俺が公安だとバレた。」


この声は唯さんだ、零、とは誰だろうと考えている内に唯さんは自分にピストルを向けていた。



『っっ!!待って!!!!!!』


パンっ!!!!!




ーーーーーーーー




『っっ!?!?!』


飛び起きると同時にスマホの時計を見る。


深夜1時のようだ。


冬の深夜の部屋はやけに寒いが、自分自身は汗でぐっしょりだった。


嫌な夢だった。

しかし、あの夢は初めて見た気がしなかった。

もっと別の、本とかで見た気がする。



『バーボン、ライ、スコッチ……』


夢に出てきた登場人物は昨日唯さんが飲ませてくれたものばかりだ。


深い意味があったのだろうか。


私はベッドから立ち上がって家のあちこちを探したが、前まであった彼の私物の諸々が全てなくなっていた。


もう会えない、と間接的に言われてるようだった。


涙が自然と溢れてくるのを抑えられず、寝て起きたら違うかもしれないと寝室に戻る。



すると私はベッドのそばのテーブルに目を向けると、何かあるのに気がついた。


先程は見逃してしまったのだろう


『これ…』



そこには唯さんが残していったであろう写真と日本警察バッチ、そして青いシルクのリングケースが置かれていた。


私はリングケースをそっととった。


開けていいのか、開けたら後悔しないかと緊張しながらゆっくり中を覗く。



『っ…』



中には美しいピンクゴールドの曲線の中にダイヤがいくつか埋め込まれている綺麗なリングが丁重に包まれていた。


この形はおそらくペアリングだ。


どうせなら、昨日面と向かって渡して欲しかった。


はらりとリングケースから何枚かのカードが落ちた。

私はそれを拾い上げると


「I continue to love you....」



アネモネの乾燥花と、その花言葉だろうか。




彼にもこんな洒落たことが出来たのかと涙とともに笑が零れる。




私は遂には声を上げて泣いた。


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