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『えっと、なんでこれを見せてくれたんですか?警察の方の個人情報なんて易易見せていいものじゃないでしょ』

緑「まあそうなんだけどさ」

唯さんはふと目を閉じて私の手を優しく包みこんだ。

部屋は暖房をつけているにもかかわらず肌寒いというのに、彼の手はとても暖かかった。


そして彼はゆっくり目を開けた。

彼の眼はやはり真っ直ぐだ。

しかし今日は不安も混じっているようだった。




緑「俺がそばにいない時、何かあったらこいつらに助けを求めろ」

『…え、』

緑「生きているのは降谷と萩原、松田の3人だがどいつも頼れる奴らだ。信頼していい。」

『ちょ、ちょっと待って!』



私は不安になり咄嗟に彼の言葉を妨げた。

何か言わないと、この人ともう二度と会えない気がしてならなかった。



『どうしはったんですか唯さん、そんないい方これから死ぬみたいやないですか』

緑「…」

『ゆ…唯、さん?』

どうして否定してくれないのか、心が重たくなった。


なにか言わなきゃ、彼をここに留まらせなきゃ。この人は近いうちに死んでしまうかもしれない。私の本能がそう言っていた。



緑「…ごめんな、名前」


『え、』


私は動揺と当惑で緊張状態のはずなのに身体がだるくなってきた。

瞼も重いと感じる始末だ。


嘘や、なんでこんな大切な時に眠たくなるん。

さっきまで寝てたから眠くならん筈やのに…


閉じようとされる思考をフル回転させたが自分に非があるとは思えない。


思いたくはないが唯さんが睡眠薬をお酒に盛っていたのだろう


そんな私を唯さんは抱きあげて寝室に運びベッドに優しく下ろした。

引き止めないと、まだ一緒にいて欲しい。

生きてほしい。


重い意識を振り払い、私は唯さんのスーツを引っ張った。



『…いか、ないでっ…、』



不安と混乱は私の頭をぐちゃぐちゃに犯した。

大量に涙が出ると同時に私は意識を手放した。



ーーーー




名前の涙を拭ってやり、そっと彼女の手を俺のスーツから離した。


緑「名前…」


愛おしい女の名前を呼ぶ。

いつものように笑顔で「なんですか」と答えてくれないのが寂しい。


俺は彼女の顔の横に肘を付いて間近で顔を眺めた。


緑「お前を、出来れば俺が守りたかった」


彼女の顎を少し上げる。

泣いたせいで目は腫れ、頬は紅くなっている。

女性の色気を感じさせる彼女の寝顔にドキリとし、キスを落とした。


1度でやめようと思ったが止まらなかった。


何度も何度も彼女の唇を求めた。


近頃死ぬかもしれない、この位許して欲しい。


俺は彼女の服から少し見える鎖骨や胸元にまでキスをした。

跡はつけなかった。


緑「愛してるよ、名前」


俺はそう言い残して名前の家から出た。


鍵はポストの中に入れておいた。

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