「何やってんだお前…」

「すみませんでしたあああ!!!」






運命を君と。
31.She of the rumor








名前は青学メンバーに連れられて泣く泣く広場に向かっていた。

リョーマと不二に挟まれて逃げられない。



というか、


不二の威圧感がすごくて動けない。




「苗字さんはこの合宿の総合マネージャーなのかな?」

「え、そうなんですか?」

不二が発した言葉に、目を見開き思わず聞き返す名前。

「あり?違うの?」
「な、何も聞いてないです…」
「ってか、総合のマネージャーなんているんすね。」
「ありがてぇ。」

口々に発する青学メンバー。

というかそんなの、

ものすごくめんどくさい。

今すぐ逃げ出したい衝動に駆られた名前だが、横には笑顔の不二がいる。

とてもだが、名前に抜け出す勇気はなかった。


「…名前って氷帝のマネージャーなの?」

先ほどまで黙って名前の横にいたリョーマが口を開いた。
名前はなんとも言えない質問に目を反らす。

「えぇと…そうというかそうだったというか…今は違うというかね、ははは」
「…?じゃあなんでいるの?」
「は、話せば長くなるのだよ…坂本殿。」
「誰だよ。」

「越前!」


突然名前に坂本殿と呼ばれたリョーマがツッコミを入れていると、いつの間にやら広場に着いていたようで、青学の母、大石が駆けつけてきた。

「やっと揃ったな。」
「…すんません。」
「越前が寝ていた確率92%」
「…うぃっす」

大石に続いて続々と集まった青学レギュラー。
青学の長、手塚がリョーマを確認し、口を開いた。

「罰は後だ。
ひとまず全員揃ったことを報告して……ん?」

ふと、リョーマと不二の横にいる見慣れない少女を目にし、止まった。

「あぁ、この子は…」
「苗字…だったか?」
「あ、はい。」
「苗字名前。元氷帝学園のマネージャーで、以前は山吹のマネージャーも務めていたことがある。氷帝の後、大阪の四天宝寺に転校したと聞いていたが…」
「え、というより、なんで皆さんそんなに私の名前知ってるんですか。
ってかツンツンメガネさんに至っては軽く私のデータ取ってるじゃないですか。」
「つ…ツンツンメガネ…」

軽くショックを受けた青学のデータマン、乾。

「…君が氷帝にいた頃、少しだけデータを取らせてもらっていたんだ。」
「お、おおう…ツンツンメガネさんといい開眼くんといい…データマン怖い…!」
「まさか、手塚まで知ってるとは思わなかったが。」
「あぁ…以前跡部から自慢気に話されたことがあったのでな。」
「く…っあいつ…!!」

名前が拳を握りふるふると跡部への怒りに震えている。
自慢気に笑っているホクロ星人の顔が目に浮かぶようだ。






すると、遠くからバタバタと聞こえてきた足音。
と、共に、


「名前!!!!」


自分の名前を呼ぶ、ものすごく聞き慣れた声。
名前は声のする方へ、恐る恐る振り返ると、呆れたような顔をしている黒(ブラック)ブン太がいた。


「何やってんだお前…」

「すみませんでしたあああ!!!」



首根っこを捕まれ涙目な名前を連れて行く黒ブン太。
その後青学メンバーの前に、少し遅れて立海メンバーがやってきた。


「すまない貞治。
うちのマネージャーが迷惑をかけた。」
「蓮二。
やはり立海のマネージャーだったんだな。
制服から推測はしていたが。」
「あぁ。この前来たばかりだがな。」
「ふむ…なかなかいいデータが取れたよ。」

メガネを光らせて乾が微かに笑う。

「邪魔したな、手塚。」
「いや、気にするな。」
「失礼する。」


青学メンバーを後に、立海メンバーは、ブン太と名前の後に続いた。


「また丸井先輩黒くなってたっすね…」
「ほんとに、面白いやつぜよ。」
「仁王君、ニヤニヤしている場合ではありませんよ。」
「名前大丈夫か…?」
「全く、脱走するとはたるんどる!」
「とりあえず、全員揃った旨を跡部に伝えなければならんな。」



一方、残された青学メンバーは、呆然と見送っていた。

「なんだったんすかね、あいつら。」
「フシュー…」
「越前のおかげで面白いデータが取れたよ。」
「なんのデータっすか…」
「なんかすごい子だったね。」
「苗字さん、面白い子だね。」
「うん!かわいい子だにゃー」
「英二先輩!!」
「あれ、どうしたんだい?越前。」
「…なんでもないっす。」
「皆、早く集合場所に行こう!」
「ああ。
越前、後でグラウンド50周だ。」
「げ…」



こうして、続々と集まってきた各校のメンバー達の、顔合わせが始まるのであった。




next.

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