「―――名前…?」
「ご名答!」




目の前に現れた不審な女


それは―――


"初恋"と呼ぶ感情を抱いた人物だった。





運命を君と。
30.Youth







「な、なんで…」
「それにしても久しぶりだねー
10年ぶりくらい?」

そう言ってはにかむように笑う名前。

昔の面影がわずかに残っているものの、
すごく綺麗になっている。

リョーマは今の状況が理解出来ずにいた。


「ねぇ、名前、こんなとこでなにして…!」
「おーい!おチビー!」

何故彼女がここにいるのか、

その答えを尋ねようとした言葉は、聞き覚えのある声に遮られた。

「おい越前!んなとこでなにしてんだよー…っと、ん?」
「あれれ、おチビ、その子誰?」
「桃先輩、英二先輩…。」

二人の声を聞きつけて、一緒にリョーマを探していたであろう、不二と海堂もやってきた。

「あれ、君は確か…苗字さん?」
「不二先輩…この人知ってるんすか?」
「ああ。去年、氷帝と対戦したときに、確かマネージャーでいたと思うんだけど…。」
「あー!!いた気がするにゃー!」

思い出した英二は声をあげたが、
不二が華麗にスルーした。

「僕のこと、覚えてるかな?」
「えっと…はい。なんとなく…。
トリプルカウンターの人でしたっけ?」
「クスッ あってるけど、その覚え方は少し淋しいかな。
僕は不二だよ。」
「ふ、不二先輩…!!」

2人の会話を、突然止めるリョーマ。

不二が少し黒い笑みを浮かべたのは言うまでもない。

「あの…俺のこと探しに来たんじゃないんすか?」
「おう、そうだぜ越前!
もう集合時間だっつのに、なにやってんだよお前。」
「すんません。すぐ行きます。」
「それじゃあ、みんなで戻ろうか。」
「あ、じゃあ私はここで…」
「あれ、苗字さんも一緒に戻らないの?」
「いや、あの、私は…別の用事がっははっ」

「戻らないの?」
「戻らせていただきます!!!!」


不二の黒い笑みに怯え、敬礼をしながら返事をした名前。
泣く泣く集合場所に向かうことになったのであった。






「……ちぇ」

名前との再会で、話したいことがいっぱいあったリョーマだったが、会えたことに嬉しさを感じ、かぶった帽子の下で微かに微笑んだのであった。



next.

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