『たっらいま〜』


ドアを開ける音ともに、彼女の気の抜けた声が響いた。


今日、彼女は番組の打ち上げがあると言っていたから、仕事が早く終わった私は家で彼女の帰宅を待っていた。

未成年の私にはまだ縁がない飲み会も、彼女はやはり付き合いもある為、参加せざるを得ない場合がある。
しかし彼女はそこまでお酒に強くないようで、飲みすぎてしまった日は大体ふらふらとした足取りで危なげに帰ってくるのだ。



「…おかえりなさい。名前、今日は随分飲んだようですね。」
『だってねー、れーちゃんが飲め飲めーってあおってくるからねー、やったるわーい!って、なったんだよー?』



やっと帰ってきたと思った彼女は、いつもより更に酔っていた。
普段はもう少しマシなんですが。

しかし…今日の原因は寿さんですか…
今度きつく言っておかないといけませんね。






私が側にいれば、こんな風にはさせないのに。
例え飲みすぎたとしても、支えて、守ってあげるのに。

1人寂しく、酔って帰ってくる彼女を待つことしか出来ない私自身が嫌になる。


年の差など、気にしたくないのに、こんな幼稚な自分を嘲笑った。






私は自力でふらふらと歩こうとする名前を抱え、寝室まで運んだ。














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