ベッドに入ってすぐに寝息を立てた彼女に思わず溜息を漏らしてしまった。
どうしてこんなにも貴女を愛おしいのは私ばかりなのでしょうね。
私は貴女が打ち上げの席へ向かうことも嫌なのに、貴女は私が七海さんとの打ち合わせの時も笑顔で見送ってくれる。
…幸せなこと、なのでしょうが私にはそれが少しさみしい。簡潔に述べるなら私に嫉妬して、必要として欲しい。
「私ばっかり好きみたいじゃないですか…名前、私はこんなにも貴女の事を…」
私は寝ている名前の化粧を慎重にシートで拭き取ると彼女を起こさないようそっと唇を近付け、床に伏せた。
次の日私はレンと雑誌の取材が入っていたので、まだ寝ている彼女に行って来ますと置き手紙を残し家を出た。
「はぁ…」
「おや、イッチーどうかしたのかい?溜息なんてついちゃって」
「別に。何でもありません。」
「へぇ…。まっ、どうせレディのことだろう?」
「…っ、」
「その顔は図星みたいだね。」
そう言ってレンはクスクスと笑っていた。…まったく、この人の感の良さは本当に厄介ですね。
ですが、恋に関しては私より専門分野でしょう…それとなく、話してみるのも策ではありますね…。
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