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4月 真新しい制服に袖を通して鏡の前に立つ。
制服に着られてる感が出るかと思っていたがそうでもなく割と似合っていた。
娘の入学式だと言うのに朝方帰ってきたであろう母親をは部屋から出て来ない。母親の部屋を通り過ぎ、新学期が昨日から始まっている柚飛を起こして朝ごはんを作る。朝ごはんを食べて片付けをして準備をする柚飛に
今日は13時には帰ってることを伝え、先に家を出た。

歩き慣れた通学路とは逆の方向へ進みバスに乗る。同じ入学生が母親や父親とバスに乗り込んでくる姿を横目にイヤフォンをつけてお気に入りのプレイリストの再生ボタンを押す。
学校までの道のりは30分程度。
メッセージアプリを開き

"入学式行ってくる"

と1文父と兄に送りそっとスマホを閉じた。

所定のバス停へつきこれから通い続けるであろう学校に足を進める。
学校に着くと掲示板の前に同じようにクラス分けを見る生徒で賑わっていた。

"1年4組 椎名光"

自分の名前を確認して教室に向かう。
ぞろぞろと教室に向かう人の中に紛れ1人イヤフォンを外さずに歩いていく。
教室に入るとバラバラとグループができて話している。黒板にはられている自席を確認する。窓側の後ろから3番目。"いい席じゃん"と心の中でガッツポーズをした。
席につき、イヤフォンを外す。
ぐるっと周りを見渡してそっと視線を窓の外へ向けた。どれくらいたったか分からない程ぼーっと外を見ていたら隣から声をかけられた。

「外なにか見える?」
「えっ?」
「いや、ごめん。さっきからずっと外見てたから。」
「いや、特に何かある訳でもないんだけどやる事ないし友達も居ないから見てたの。」
「そうなんだ。俺、澤村大地って言います。1年間よろしく。」
「私は椎名光です。よろしくね。」
「俺泉舘中学出身でバレーしてた。椎名は中学どこだったんだ?」
「私は北一だよ。」
「北一って女バレ全国優勝してたよな?去年。」
「あぁーしたね。一応私はキャプテンでリベロやってたよ。」
「、、やっぱりあの椎名光なんだな。」
「まぁ、あれだけ持ち上げられればバレー関係者は知ってるよね。」
「でも、なんで烏野に?うちのバレー部全然全国レベルじゃないだろ?」
「あぁ〜ちょっとうちの事情でバレーしてる余裕なくなっちゃったからバレーは辞めたの。」
「えっ?勿体ない。あれだけ才能あるのに。」
「そうだよね。バレーしてる人からしたらほんとに馬鹿なやつって思うだろうな。でも馬鹿なやつって思われてもやらなきゃいけない事があるから私はそれを全うしたいなーって思ってるの。」
「そっか。じゃぁ部活は何もしないのか?」
「そうだね。でもバレーしてる人の事は応援したいと思ってるよ!」
「ほんとか。ありがとうな!ってもまだ入部すらしてないんだけとな。笑」
「ふふっ。ほんとだね。笑」

なんて会話をしていたら教室のドアが開いた。
"体育館に移動します"
担任の先生なのかそれとも臨時の先生なのか分からないが30代前半くらいの男の人が誘導を始めた。