ろくてんご 1 [1/3] ライブが終わってホテルに帰ってからふと楽屋 に忘れ物をしたことを思い出した。最悪や。携 帯忘れた。と1人の部屋で呟き、部屋の電話でマ ネージャーの部屋へ連絡した。取りに行くと言 うマネージャーに一言自分で行くからタクシー 呼んで。とだけ伝え部屋を出た。ロビーに降り るとマネージャーが駆け寄ってきて"錦戸さんが まだ帰ってきてないのでよければ帰り一緒に帰 ってきてください。"と伝えて、あのタクシーで すとタクシーを指さして教えてくれた。"ほな、 行ってくるわ。ありがとう"といいタクシーに乗 り込んだ。ドームの入口で警備員に止められそ うになったが俺の顔を見てはっとした顔をして 通してくれた。30分ほど前に出てきた入口に再 び入り楽屋へ向かう。その道中でスタッフに一 人も会わなかったから。楽屋へ着きお目当ての 携帯を見つけて軽く亮を探そうと来た道とは反 対側へ歩き始めた。少し歩くと亮が誰かと話し てる声が聞こえてきた。"なまえ。お前今幸 せか?"...なまえ?亮何言うてんの?と思って いると昔ずっと隣で聞いていた懐かしい声が聞 こえてきた。間違いなくあいつの声やった。俺 は聞いたらあかん。と思ったけど全く足が動か へんくてその場で立ち尽くすことしか出来ひん かった。話してる内容がよくわからんくて、あ の日のこと全部知ってるとか、嘘とか全然頭の 中で処理できんかった。 あのあと俺は亮とあいつに会わずにどうやって ホテルに帰ってきたんかわからへんけど、ふっ と気がつくと自分の部屋のベットに座ってた。 |