大阪での契約が無事に終わり、あっという間に外は夜の顔になっていた。社長は契約をした先方のお偉い様達と会食。こういう会食ってお酌係として秘書が同席することも多いけれど、今回は社長の古くからの友人ということでお役御免。
『さて、どうしようか』
一度宿泊先のホテルに戻り、スマホを取り出した。それにしても頬が痛い。今日は一日中営業スマイルを浮かべていたから頬が筋肉痛だ。時刻は19時過ぎ。せっかくなら大阪グルメを堪能したいけど、いつものゲームもしたい。私がしてるオンラインゲームはスマホでもできるから、出張先でもできるのが嬉しいのだ。
『お、ここ良さそう』
ホテルから徒歩数分のお好み焼き屋さんを見つけた。おひとり様でも行けそうなオシャレな雰囲気。平日だからそこまで混んでないと良いなぁと思いながら、スーツを脱ぎ私服へと着替えを進めた。
▽ ▽ ▽ ▽
「いらっしゃいませー!」
オシャレな店内は本当にお好み焼き屋さん?って感じだけど、鼻を掠める匂いは確実にお好み焼きの匂いだ。1人だとわかると鉄板が目の前にあるカウンター席に案内され、腰を下ろす。
『生一つと豚玉お願いします』
店員さんにオーダーを伝え、スマホを取り出そうとしたところで店内にあった小さなテレビから「どうも!なにわ男子でーす!」と明るい声が聞こえて、不意に顔を上げる。
「生一つ、お待たせしましたー」
『あ、ありがとうございます』
「お客さん、なにわ男子好きなんですか?」
可愛らしいお姉さん店員に声をかけられ、うーん…と悩みつつ「知り合いが好きで、つい」と苦笑いを浮かべた。
「関西では毎日見ますよ、彼ら」
『そうなんですねぇ』
「ちなみに私の推しは…あ、この人です」
そう言って店員さんが指差した先には、イケメンの黒髪お兄さん。身長が高く、くしゃっと笑った顔が可愛らしい。へぇ、ジャニーズって可愛いイメージが多いけど、こういうかっこいい系もいるのか。
『みんなキラキラしてますよね』
「そうなんですー!…ってすみません、雑談しちゃって、」
『いえいえ、楽しかったです』
店員さんとお話が終わったと同時に、目の前の鉄板に美味しそうなお好み焼きが出来上がった。いや、これは絶対美味しいやつじゃん…!と頬が緩むのを感じながら、お好み焼きを口に運んだ。
『ん!美味しい!!』
外はカリッとしてるのに、中はふっわふわ。ソースの香りがさらに食欲を掻き立てる。これはお酒が進んでしまうぞ…と思いながら食べ進め、結局追加で焼きそばまで頼んでしまう始末。さすがに食べ過ぎて、ホテルに帰ってくる頃には「苦しいぃ…」と転がる私の完成だ。
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