よ〜し、やんぇーー!!


帰ってきたうちらを木手君、知念君、田仁志君が門の前で出迎えてくれた。
3人もうちの事探してくれてたらしい
…この暑い中、部活後で疲れてるだろうに。
うちは嬉しくてまた涙した。こんなに涙腺弱かったっけ?



「ぃやー、コレ持ってろ」



知念君がポケットから何か取り出した。



「……携帯?」
「わんの携帯。ぃやー持ってないやし、わんの使え」



優しく笑って自分の携帯を差し出してくれた。



「で、でも知念君無いと困るやろ?」
「大丈夫。わん、大抵このメンツと居るし」
「知念の携帯殆ど鳴らないから大丈夫さ〜」



平古場君がニヤっとして言った。



「……平古場と甲斐の携帯はよく鳴るや〜。この間も女子から――」
「知念!余計な事はさんけ!!」
「つーか、何でわんの事まで話にだすんさ?!」



慌てて言葉を遮る2人。



「へぇ〜、やっぱ2人はモテルんや〜!ファンクラブとかあったりして〜」
「あぁ。2人ともあるぜ〜ファンクラブ」
「コラ、デブ!ぃやー口出さんけ!」



田仁志君に向かって罵声を浴びせる平古場君。
面白くなさそうな顔をしてふて腐れてる。それを見てうちも他の皆も笑った



「とにかく、携帯持ってろ。別に見られてマズイのねーらん」
「……わかった!難く貸して頂くわ!」



知念君から携帯を受け取り、4人の着信音だけ変えてもらった。
それ以外でないから!って約束もした。
見られてまずいもん無いって言っても、やっぱプライバシーは守らんと!

その後、皆を見送って家に入ると早速携帯が鳴った。
皆からのメールだ
木手君は『今度心配かけたらゴーヤー食わすよ』って…。
平古場君や甲斐君が嫌がってるゴーヤーがどんな物か興味があるけど…食べたいとは思わん。絶対苦いんやろ〜な…。
甲斐君からは『一緒にテニスするの楽しみにしてるさ〜!』
うちも久々にテニスしたいわ〜!皆全国大会行くくらいやから上手いんやろな。
平古場君は『知念やデブが言った事は気にさんけよ』
…何かうちに知られてまずい事でもあるんか?皆か好かれるのはええ事やと思うのに…そして羨ましい…。
田仁志君は『今度ぃやーの料理食べたい!!知念が今日は疲れただろ?ゆっくり寝ろよ。だと!』だって!
ププッ…田仁志君は食べ物の事しか考えてないんかな?よっしゃ!本場こなもんの料理食わせたろ!
知念君…ほんま優しい子。心配してくれて…ほんまありがとうな。

そんな暖かいメールをベットに寝転がって何度も何度も読み返してたら、いつの間にか寝てしまってた。
今日は歩きまくったからな。
さぁ、…明日は何をしようかな?
















ピピピピピピピピピ……



携帯のが部屋中に響く。
うちは眠い目を擦りながら携帯手に取った。
誰から…?って見たらアラームだった…。
今は朝の5時。
……知念君、こんな時間から起きてるんや…。
アラームを切り、もう一度床に就こうとしたが目が覚めてしまいなんて考えもう1度床につこうとしたが目が覚めてしまい、うちは浜辺へ散歩に出掛けた。



朝の海って気持ちええなぁ。
波の音を聞いてるだけで、心が安らぐ感じするわ…。
昼間の照りつける日差しと違って、朝日は優しく包んでくれてる気がする。
うちのいたトコじゃ、こんなんないからな〜。
うちは波打ち際をゆっくり歩いた。
昨日は皆に迷惑かけてしもたな。
知念君に携帯も借りたし。何かお礼せんと!
何か買って…って言っても、何がいいか分からんし…ってか、自分の金ちゃうしな…やっぱ手作りか?
……そうや!ハチミツレモン作ろう!
スポーツしてたら糖分必要やもんな!うちも部活の時よく作っとったし。
知念君には、+αで何か作って…っよし!!



うちは家に戻って冷蔵庫を開けた。
ぎっしり食材の詰まった冷蔵庫の中からレモンを発見!
蜂蜜は〜……っと、あったあった!これでハチミツレモンは作れるな!
あと知念君には…よし!カップケーキかな!あれなら何度か作った事あるし!



「よ〜し、やんでぇーー!!」



うちはエプロンをキュっと縛り、早速料理に取り掛かった。













「戸締りよし!携帯よし!財布よし!差し入れよし!…忘なーし!!」



声を上げて玄関に鍵をかけ、門を出た。
…1人暮らししたら独り言多なるってホンマやな…。

確か…比嘉中って言ってたな〜。
場所分からんけど、この浜辺で練習してる位やから、この辺が校区なんやろな!
近くの人に聞いたら分かるやろ。

海岸沿いの道を歩いていると高校生らしき子達がおって比嘉中の行き方を聞いた。
結構近くにあるらしい。
その子達に礼を言って、比嘉中に向かい歩き出した。



途中、綺麗なハイビスカスを見つけた。
ハイビスカスって、赤ってイメージがあったけど白やオレンジや色んな色の花がある!
沖縄ではハイビスカスの事を『アカバナ』って言うって近くに居たばぁちゃんが教えてくれた。
花の香りって殆ど嗅いだ事なかったけど、沖縄はアカバナの香りが漂っている。
うちは、この香り好きやな。

色々な物に目がいってしまう。シーサーも発見した!
すっごい形相のやつもあれば、思わず吹き出してしまいそうになる物も…。
傍から見たら、うち思いっきり観光客丸分かりやろうな…なんて笑いながら沖縄の道を歩いた。



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