テニス立海


病院で入院している幸村。
原因不明の病気。成功率の低い手術。
大好きなテニスができなくなる。
今まで常に前向きで強気だった兄が目に見えて堕ちていく。
そんな姿を見て、主人公はなんて声を掛けていいか分からなかった。

ある日、幸村が病室から姿を消していた。
主人公とR陣が病院内を必死に捜した。
幸村は屋上にいた。ラケットを持って。
主人公は声を掛けられなかった。
涙はみせないが、背中が泣いているように見えた。
主人公は真田を捜した。
小さい時から共におり、副部長として幸村の傍にいた真田を。

屋上で真田と幸村が話す。
心の中に溜め込んできた弱音を初めて幸村は口にした。
真田は幸村の頬を思い切り叩いた。
「お前と全国三連覇するという夢をかなえる為に待っている」と。
幸村は初めて涙を流した。

屋上のドアの前でその光景をみていた主人公とR陣。
本当はすぐ兄の下に行って支えてあげたかった。
でも、それは私では駄目だと主人公だと知ったから。
今まで共に苦楽をともにした仲間でないと駄目だと。
ずっと兄の後ろでいた私は、何もできないのだと。
涙する主人公に赤也を始め、他のR陣が優しく接してくれる。

屋上から降りてくる幸村と真田を皆で向かえた。
紅く染まった頬が痛々しかったけど、幸村は笑っていた。
「心配かけたね」
泣きじゃくる妹の頭を優しくなでる幸村に主人公は抱きついて泣いた。
病室に戻って、幸村は皆とまた共にテニスの舞台へ立てる様に頑張ると告げる。
そして幸村と真田が言う。
主人公にこれからも一緒に幸村が元気に戻ってくる日の為に、テニス部をサポートしてほしいと。
自分が必要とされてるのだと感じた主人公はまた涙した。
兄の代わりにはなれないが、兄が帰ってきたときの為に、自分の出来る精一杯をしようと。
------------------
主人公は小さい頃から元気で明るい子だった。
しかし小学校3年の頃。友達が好きだった子が主人公の事を好きだと知って、イジメが発生した。
その友達はそのクラスのリーダー的な子だったから主人公を庇う子はいなかった。
皆に無視をされ、トイレに入れば水をかけられ、物を投げられ。
登校拒否をし、部屋にこもるようになった。
そんな時、一番近くで支えてくれたのは、兄の精市だった。
いじめた子をけん制するのではなく、その子達と仲良くなれる様に取り計らってくれた。
最初は精神的恐怖から発作を起こす事も多かった。
自分を追い詰めて、嘔吐する事もあった。
でも嫌な顔も文句も言わず、傍で付き添ってくれた精市のお陰で、発作もほとんどでなくなった。
もともと友達の出来やすかった主人公はイジメた子と仲直りする事ができた。
だから主人公は兄の精市を心から尊敬し、世界で一番好きなのだ。
---
精市が患った病気は、筋肉を動かす運動神経が傷害されて、手足の自由を奪う難病の一つだった。
年間5万人に1人の確率で発症するこの病気は、身体のマヒだけでなく悪化すると呼吸困難にも陥るという。
手術も難しく、治っても後遺症が残る場合もあるらしい。


しおり
<<[]>>

[ main ]
ALICE+