君の隣で2
主人公とブン太は同じクラス。日直がたまたま一緒になり、放課後日誌を書いてる私の前で書き終わるのを待つブン太。
日誌を日直二人で持っていかないと、次の日も日直をさせられるからだ。
お菓子を食べながら書いていた時、お菓子くれる子と付き合うんだ〜みたいな話になる。
ブン太本人は甘い物が食べられれば付き合う付き合わないは余り考えないらしい。
思春期の男の子だし、そっちにも興味はあるしって事で。
じゃあ、私とも付き合えるの?と聞くと「まぁ、そうだな〜。お前、嫌いじゃねぇし」
同じクラスで余り話さない私とでも付き合えるんだって思った。
じゃあ、毎日部活前に差し入れするから付き合おうって言うと、「いいぜ?」とブン太。
主人公は嬉しい反面凄く哀しかった。
付き合い始めて数日。実は料理が苦手な主人公。
いつも夜中までお菓子作り。
バイトして夜中までお菓子作りして、学校行って。
主人公の体力は低下。
それでも笑顔を絶やさない主人公。
ある日、主人公が倒れる。目が醒めると、ブン太が横に座っていた。(保健室)
「丸井…くん」
「目、醒めたか?軽い貧血だってよ」
「そっか…丸井くん、ずっとそこに?」
「まぁ…な。一応、彼氏だし?」
照れくさそうに言った。
丸井の口から、彼氏という言葉を聞いたのは初めてだ。
それに涙が出るほど嬉しかった。
それと同時に怖くなった。
餌付けではじまった関係。いつ終わってしまうか分からない関係。
それに…丸井は主人公に手を出さない。
思春期真っ盛りの丸井は、付き合った子達と一通りの事はやっていたのは知っている。
付き合った子が騒いでいるのを聞いたことがある。
なんで、私には…?と。そんな魅力ないから?
体に自信がある訳じゃない。でも…キスでさえ、してくれないからだ…。
一緒にいると楽しい。丸井くんがテニスをしてる姿、友達といて、笑ってる顔が大好きだ。それを近くで見ていられるのも幸せ。
だけど…私はそこに入る事はできない。
遠くで見ている…付き合う前と一緒。彼女になっても…隣で一緒に笑い会う事は…できないんだなって…そう思った。
彼を留める術はない。
見た目平凡、料理は下手、頭も平凡。他に素敵な人はいっぱいいる。
ブン太と付き合い始めて2度目の日直。
相手の男子は日直であることを忘れて帰った。一人日誌を書いた主人公。そこにブン太が来る。忘れ物をとりに。主人公の前の席に座るブン太。
いつもの様にお菓子を渡す。
「あ、焦げてるぜ?」
「あはは!その辺は見逃して」
「お前、料理下手なんだろ?」
「そ、そんな事ないよ」
「お前の友達が言ってた」
「あらま…」
「バイト終わってからお菓子作り。…だからいつも眠そうなのか」
「…約束したからね…買うより作ったほうが安くつくし」
「ふぅ〜ん」
沈黙。
「だから…もう―」
「次付き合う子は…料理得意な子だといいね…」
もう…それから後の言葉を聞くのは嫌で、『別れよう』なんて言葉聞きたくなくて。
「…なんだよそれ」
「…え?」
機嫌悪そうにするブン太。
「お前、オレと付き合ってるんじゃねーの?」
「…付き合ってるって…お菓子のためでしょ?…私じゃ…なくても構わないでしょ…」
今まで心の中で思っていた事が…言う気なんて全然なかった言葉がでてきた。
「……」
気まずい雰囲気。
「…次…お菓子くれる人が名乗り出たら、私はすっぱり身を引くよ」
「お前、本気で言ってるのかよ」
「…だって……ほら、お菓子作り大変だし、バイトもしてるから毎日差し入れできないかもだし―」
「だからオレは―」
「日誌、持って行かなきゃ―」
席を立つと腕を掴まれた。
「まだ話終わってねぇ」
「…もう話すことないじゃん…料理下手なのもバレちゃったし…それじゃ、もうお菓子作れない…私は…丸井くんの横にいれないんだよ」
その場にいるのが辛くて、腕を振り払って走った。
職員室に日誌を持って行って鞄を教室に置いたままなのを思い出す。
もういないだろうと思ったら、ブン太と女子がいた。
私と付き合ってくれたら、毎日お菓子作ってくるよ。
それを聞いて…あぁ、終わったなって思って蹲った。
「ワリィな…無理だわ」
「ど、どうして?!」
「…オレ、あいつの泣きそうな顔しか見てねぇから」
「友達といる時は顔がくしゃってなるくらい笑うのに、オレの前だと…いっつも泣きそうな顔して笑いやがるんだぜ?」
「それみてっと…オレもつれぇんだ…」
「…好きなの?…あの子の事」
「…かもな」
その子はそっかと言って教室を出た。
主人公と目が合う。
「ブン太君を悲しませるのは許さない」
そう言って去る。
それに気づき、ブン太が来る。
「……」
「…私…可愛くないよ?」
「…ん〜ま、そうだな」
「がさつだし」
「うん」
「…頭よくないし」
「数学は得意だろ、お前」
「…数学だけね…」
「いいんだよ。可愛くなくても、がさつでも、頭よくなくても」
「あ、料理も下手」
「オレが上手い。知っんだろぃ?」
「…知ってる」
「だからいいんだよ。…料理下手でも、毎日差し入れなくてもいいから」
肩に顔を埋めてくる。
「…俺の横で…笑っててほしい」
「……傍にいて…いいの?」
「傍に…いてくれ」
「―ッッ」
「…泣くなよぃ」
「泣かせたのはブン太だもん」
「…どうやったら泣き止むんだよ」
「…ブン太の気持ち、聞きたい」
「ぃ?!」
「…聞きたい」
「……ぅぅ〜」
「……」
「…っ、オレはお前が――」
頬にキスをする。
「ッ!!おまっ――」
「私、ブン太の事が好き」
主人公笑う。
「…やべぇ」
「え?」
丸井、主人公を抱き寄せる。
「可愛くないって言ったの、嘘」
「すっげぇ可愛い」
顔が熱くなる。
「オレ、好きだから。お前の事」
「うん」
「今までみたいに、部活とかでお前相手できない時も多いと思うけど、…オレ、ちゃんとお前が好きだから…」
「うん…ありがとう」
後日
「丸井先輩、今回の彼女は長いっスね!」
「んだよ、赤也。その言い方」
「いや、あの人オレタイプだから、先輩別れたら狙おうかな〜って」
「はぁ?!絶対渡さねぇ」
「え?」
「あいつにちょっかい出したら容赦しねぇからな!」
「どうしたんスか?丸井先輩」
「本気なんじゃろ?」
「マジっすか?」
「お菓子作らなくてもいいから、お前は俺の隣で笑ってて欲しいんだって!」
ーーー
・主人公は丸井と同じクラス。主人公→丸井。性格はサバサバしている。
・文化祭実行委員
・7月から11月頭(文化祭まで)
・主人公の兄ちゃん(大学生)が赤也姉(大学生)の彼氏。主人公の事を赤也姉は妹の様に可愛がる。
・ファミレスでバイト中
・料理はするが食えればいいタイプ。見た目とか凝ったものを作ったりはほとんどしない。作るより食べたいタイプ。
--イベント
・バイト先のファミレスにテニス部一行様が来る。(赤也にバイト先の割引券あげたから)
・丸井が赤也に嫉妬する所とか入れたい。テスト前に家庭教師をする。1回目は夏休み前の期末対策で放課後家庭教師。2回目は9月末の中間テスト。最初はどうとも思っていない丸井。でも2回目は邪魔しにくる。
「先輩!英語教えてください」
「え?何でわたし?お姉ちゃんに聞けば」
「無理ッス。見返りが恐すぎなんで」
「…じゃあ、お兄ちゃんは?英語得意だよ」
「隼人さんに教えてもらってるって知ったら姉貴に怒られます。前、勉強教えてもらったら、隼人くんとの時間を取るなって殴られました」
「…あ、そうなんだ…。まあ、わたしでよければ教えてあげるけど」
「あざーっす!」
的な流れで。
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彼の事は知っていた。ってか、この学校で知らない人はいないんじゃないかな?
あの目を引く赤い髪と甘く香るグリーンアップル。全国大会二連覇を成したテニス部のレギュラーメンバー。
中学から有名だった彼と初めて同じクラスになった高校二年。同じクラスになったら何かしらの接点ができてお喋りできたりするんじゃないか?!なんて思ってもうすぐ夏休み。
未だ一言も彼と言葉を交わした事がない。
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