棚から牡丹餅
バレンタインは散々だった。あのよくわからない小人に追いかけられ、下手くそな歌を聞かされて………。
ロックハートに本気で呪いをかけてやろうかと思った。
イースター明けのクィディッチ試合。それは最悪の事件で中止となった。
4回目、5人目6人目の被害者。1人目はレイブンクローのペネロピー・クリアウォーター。もう1人はハーマイオニー。
最悪だ。彼女を助けることができなかった。私はあの部屋に篭ることが多くなった。
新たな被害者が出たことで、森番のハグリッドはアズカバンへ。そしてダンブルドアは停職となった。
嫌な空気に包まれたホグワーツは、今までにないほど居心地が悪かった。
『先生方はすぐに職員室前へ集まってください。』
学年末テスト3日前、マクゴナガル先生に集められた。
とうとう、継承者によって1人の生徒が誘拐された。
ロンの妹、ジニー・ウィーズリーだ。
マクゴナガル先生はホグワーツはもう終わりと言ったが、あの子達が動き出すのを確かに感じた。
あの子には強くなってもらわなければならない。
ロックハートの戯れ言には耳を貸さず、私はその場を後にした。
結果として、ハリー達は無事だった。例のあの人の記憶と対峙し、あのバジリスクと戦ったらしい。
私は人目を避けて箒を片手に、例の女子トイレへ向かった。案の定まだ入り口は空いている。
「バレるのはゴメンだからね。」
私はその水道管を滑り落ちていった。
「これがバジリスクね」
大きく横たわった大蛇に近づくと、その口元を覗いた。私はポケットに手を突っ込んで、幾つかの試験管を取り出す。
そしてバジリスクの血液と唾液を採集した後、牙を無理やり抜いた。毒にやられないように。
「よし、これでオッケー」
私は箒にまたがると、意気揚々と冥界の部屋へ戻った。
棚ぼた状態だが、貴重な材料を手に入れることができたのはとても嬉しい。
折角全員無事だったのだ。少しくらい頂戴しても構わないだろう。
学年末テストは中止となった。生徒達は大喜びだ。
今年も1年長かった気がするがハリー達と接触できた上に、いいものまで手に入れてしまった。
ハーマイオニーも無事に石から戻れたようで、またあの笑顔が見れてとても嬉しかった。
あと5年、彼らには学校生活がある。
始めの2年でこれだけのことをやらかして来たのだ。きっと来年も問題を起こすだろう。
さすが彼らの子供だと、私はつい笑ってしまった。