消えてしまった者たちへ
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  • 信頼と被害

     その数日後また新たな被害者が出た。ハッフルパフの2年生ジャスティン・フィンチ-フレッチリーとあの首無しニックだ。2人とも並んで石になっていたらしい。早く犯人を見つけなければ、死人が出てもおかしくないだろう。

     ハリー継承者説はなかなか消えないらしい。だか、彼らも何もしないわけではないらしく、ある本と幾つかの薬草を用意して欲しいと頼まれた。多分ポリジュース薬を作ろうとしているのだろう。この歳でこの魔法薬。優秀である。
     すぐに用意して渡してやれば、大きな声でお礼を言われた。まだ幼い。


     クリスマス休暇は3人ともホグワーツに残ったようだ。
     今年のホグワーツは危ないと、もともと少ない残る生徒が今年は1段と少ないように思えた。まあ、静かなのはいいことである。

     三人への今年のプレゼントにはきちんと名前を書いておいた。
     ハリーには私の持っている彼の両親の写真と良く眠れる枕。
     ロンにはクィディッチの有名選手の遷移の載った本。
     ハーマイオニーには何度でも使える計算用メモ帳。
     喜んでくれるだろうか。

     彼らからのプレゼントはとても嬉しかった。
     ハリーからは鉛筆と消しゴムというマグルの筆記用具。
     ロンからは簡単に汚れを落とすスポンジ。
     ハーマイオニーからはすぐに乾くタオルケット。
     どれもこれも実用的でとても便利だった。

     レジーからの今年のプレゼントはティーカップだった。美しい天馬が描かれている。早速お茶を淹れて使うことにした。
     サッティからは手作りカップケーキだ。オレンジ味のそれはとても紅茶に合っていた。

     天馬のカードの彼からは、新商品のキャンディ詰め合わせが届いていた。やはり彼らしいとつい笑ってしまった。カードには次の夏休み会えないか?と書かれていたので、後でフクロウ便を返そうと思う。

     今年も双子から届いていた。今年はキャンディだ。しかしカードに感想を聞かせてくれよな!と書かれていたので、食べるのはやめておこうと思う。


     クリスマス休暇明けの1月の中旬、私は驚きのニュースを聞いた。ハーマイオニーが医務室にいるというのだ。私は話を聞いたその日に医務室へ向かった。マダム・ポンフリーはいないようで、とても静かだった。

    「ハーマイオニー」
    「!! ラミア先生! どうして……?」
    「こっちのセリフですよ。どうして医務室に………と思いましたが、ポリジュース薬ですね?」

     ハーマイオニーには耳が生えており、毛も生えていた。

    「人の毛と間違えて………」
    「そのようですね。まあ、無事で良かったです。……貴女はマグル出身ですからね。心配しましたよ。」

     頭を撫でると少し赤くなって俯いた。

    「ごめんなさい………」
    「貴女は優秀です。だからこそ貴女になら出来るはずですよ。もう少し冷静になることが。」
    「はい………」
    「では、ハーマイオニー。また来ますよ。早く元気になってください。あの二人もソワソワしてますから」

     私はハーマイオニーの頭をもう一撫ですると、医務室を後にした。
     二月の始めにハーマイオニーは退院した。本当に良かった。

    嫌いな色で塗りつぶして