決意と助け
結果的にシリウスは無罪放免、ピーターはアズカバンへ送られた。そしてリーマスは狼人間であることが知れ渡り、自主的にホグワーツの教職を降りることにした。
私がリーマスの部屋へ行くと既に荷造りを始めていた。
「いいの?」
「職を手放すことかい?確かに次の職を見つけるのにはしばらくかかるだろうね。それでも、そんなことはわかってた事さ」
リーマスはいつもの笑顔を私に向ける。これ以上自分がなにを言っても無駄だということはわかっていた。
「何か困ったことがあったら、いつでも言って。できるだけ力になるから」
「ありがとう、ラミア。心強いよ」
するとリーマスは思い出したように、視線を合わせた。
「シェアトを寄越してくれてありがとう。一人でいるより、何倍も安心できたよ」
「良かった。でもお礼はシェアトに言ってあげて。私は何もしてないよ」
私が部屋を出ると、入れ替わりのようにハリーが走ってやって来た。
「リーマスなら、中にいますよ」
「!! ありがとう、ラミア先生!」
ハリーは勢いをそのままにリーマスの部屋へ飛び込んでいった。
部屋へ帰った私は家にいるレジナルドに手紙を書いた。
『シリウスと話すかどうか、考えておいてね。』
短く単純で、そして確信に迫った。そんな手紙だった。もう少しオブラートに包むことも考えたが、きっとそんなものに意味はないだろう。
そして先日届いた、学生時代の先輩からの手紙をもう一度取り出す。
『暇だったら見に行け!俺は出ないが、絶対にいい試合になるから!』
同封されたクィディッチのチケットについ頬を緩ませた。