2015newyear

朝起きて騒がしい談話室からの声にどんよりした。部屋にはもう誰もいない。きっと談話室にいる生徒は皆、昨日の夜から眠らないままいるのだろう。クリスマス休暇の後半、数える程しかいないはずの生徒たちはクリスマス同様に騒いでいた。
気付かれないよう談話室を除くと10人弱のレイブンクロー生が楽しげにパーティをしている。
ラミアは静かに談話室を出ると、いつものようにあの部屋へと向かった。



部屋に行くとすでにレギュラスがいた。暖炉には火が灯っており、レギュラスは椅子に座って本を読んでいる。




「あ、来てたの」

「ええ。おはようございます、ラミア」

「新年なのに、こんなとこにいていいの?」

「それは貴方もでしょう?」


きっと大広間はご馳走が並んでいるのだろう。クリスマスほどではないにしろ、きっと楽しくパーティを行っているはずだ。
こんな寒い時期にどうしてテンションを上げられるのか、ラミアには理解できなかった。


「今年も、よろしく」

「はい、よろしくお願いします」


少し目を合わせて挨拶を交わす。落ち着いたその雰囲気がラミアは好きだった。
杖を振り、仕舞われたカップを取り出すとそこへ温かなココアを2人分注いだ。


「……くぁ」

「眠いの?レグ」


暖炉のおかげで暖まった部屋にホッとするラミアの前でレギュラスは小さく欠伸をした。
珍しく眠たそうにする彼にラミアは少し驚いていた。


「談話室がいつもより騒がしかったんですよ。今年は例年よりホグワーツに残る生徒が多かったですし……」

「少し眠ったら?ここなら静かでしょう?」


この部屋には少し大きい簡易ベットがある。実験のために作られたこの部屋は、ここで生活できるだけのものが揃っているのだ。

ラミアの言葉にレギュラスはそうですねと言って移動しベットへ腰掛けた。


「ココアは飲む?」

「いただきます」


ココアを片方レギュラスに渡し、その隣へ座る。ほぅと息をついて温かいココアを口にした。


「ありがとう ラミア」

「いえいえ」


2人は無言のままゆっくりココアを飲み干すと、ラミアはさりげなく杖を振りカップを片付けた


「眠れそう?」

「ええ、多分」


いつになく眠たげなレギュラスを横目にラミアは立ち上がり、テーブルへ向かおうとした。


「ラミア…」

「え……」


ぐい

すとん



急に腕を引かれ、次の瞬間には彼の腕の中にいた。レギュラスは掴んでいた腕を離し、ラミアの背に腕を回し、抱きしめた。顔は見えない。



「………」

「………」


何も話さない彼にラミアはゆっくりと体勢を立て直し、レギュラスの膝の上に座った。
今までも何度か彼に抱きすくまれたことはあったが、こんなに静かにされたことはなかった。


「……レグ?」

「………」


やはりレギュラスは何も言わない。ラミアの肩口に額をすり寄せていた。


「何かあったの?」

「…………」

「話したくないなら、それでもいいけど」


ラミアはゆっくり彼の頭を撫でた。きっとこんなに気を許して触らせるのは自分だけなんだろう。そんなことを思いながら少し嬉しくなる。


「………なんでもないよ ただ少し夢を見ただけ」

「夢……… 新年から?」

「そう よく覚えてないけれど、嫌な夢」


覚えていないのか、と少し笑ってしまう


「大丈夫だよ 多分」

「多分……ですか」

「そう 多分」


いい加減ですねと笑うレギュラスに、いつものことだよと返す。


「…………くぁ」

「眠いんですか?」

「あったかいからね、眠くもなるよ」

「寝ますか?」

「うん、そうしようかな」


眠気がレギュラスから移ってしまったらしい。重くなる瞼のまま、2人くっついたままごろんと横になる。
横になったまま顔を上げると、漸くレギュラスと目があった。
出会った時に比べて、ずいぶん大きくなった。変わらなかった身長はもう見上げなければならなくなっているのだから。


「…レグがモテる理由、わかる気がする」

「そうですか? ラミアこそ綺麗な顔立ちじゃないですか」

「そうかなぁ」



クスクスと笑っていると、レギュラスは腕枕になっている片手でラミアの頭を引き寄せ



ちゅ



髪の上から額にキスをした。

ばっと顔を上げてレギュラスを見る。先ほどより近い顔はなんでもないような表情だ。
今日のレギュラスは本当に様子がおかしい。



「本当にどうしたの?レグ」

「なんでも……… なんとなくですよ」

「なんとなくって………」


ラミアの中で恥ずかしさより心配の方が勝っていた。


「本当に大丈夫……?」

「そんなにおかしいですか?」

「うん、おかしい」

「酷い言いようですね」


レギュラスはクスクスと笑いながら、腕枕とは逆の手でラミアの頭を撫でる。ラミアはそのリズムに少しずつ瞼を下げていく。
はじめに眠たかったのはレギュラスのはずなのに。そう思いながら、その暖かさに身を委ねた。


「おやすみ、ラミア」

「おやすみ、レグ」









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